暮らしに寄り添う在宅医療は、薬剤師の力を存分に発揮できるステージです。
- プロフィール
- 祖母の影響で薬剤師の道へ進み、製薬会社のMRを4年弱経験した後、当社専務である田村の誘いでセルヴィスへ転職。大阪市平野区にオープンした『きずな薬局 平野店』で管理薬剤師としてスタートを切る。現在は調剤事業部部長として、平野店・東大阪店・堺店の3店舗を統括する。
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あこがれは「島の薬剤師」だった祖母。薬に命を救われて進路を決めました。
私の祖母は、広島県の瀬戸内海に浮かぶ小さな島で薬局を営んでいました。子どものころ、夏休みに帰省したときに見た祖母の白衣姿が、薬剤師にあこがれたきっかけです。
高校卒業後は薬学部へ進学。薬剤師を目指して勉学に励んでいた矢先、心臓の病が私を襲いました。脈が速くなり意識が遠のく中、搬送先の病院では医師がいくつもの薬を試してくださったそうです。そして最後に試していただいた薬がちょうど私の心臓に合い、なんとか一命を取り止めました。
薬に命を救われ、患者様に合った薬を提供するお手伝いをしたいという思いは一層強くなりました。卒業後の進路として選んだのは、祖母のような薬局の薬剤師ではなく、製薬会社のMR。医師を通すことで、直接お会いできない多くの患者様も救いたいと考えての選択でした。
患者様と直接ふれあいたくて、MRから在宅医療の薬剤師へ。
製薬会社に入社後は、多くの患者様を救いたい一心でMRとして精一杯働いてきました。やりがいも感じていましたが、仕事を続ける中で患者様と直接お会いしたいという思いが芽生えたんです。
セルヴィスの現専務・田村から声がかかったのは、ちょうどそんなときでした。田村は製薬会社の元同期。平野区に薬局を立ち上げるにあたり、私を管理薬剤師として誘ってくれたのです。
セルヴィスが運営する『きずな薬局』は、在宅医療専門に近い薬局です。外来専門の薬局のように患者様が処方箋を持って立ち寄るのではなく、患者様のもとへ毎週訪問して薬をお渡しします。在宅医療専門の薬局でなら、患者様に直接お会いできるうえに、生活に根差した薬のご提案ができる。田村の誘いに魅力を感じ、転職を決意しました。
週1回の訪問で、処方のご提案につながる訴えを直接うかがえます。
『きずな薬局』の薬剤師の主な仕事内容は、当社が運営する住宅型有料老人ホームの入居者様に向けた調剤業務。患者様の居室を毎週訪問するため、患者様と仲良くなるスピードは速いですね。プライベートなおしゃべりの中で「実はここが痛いんです」といった処方のご提案につながる訴えを聞き取りやすく、薬剤師の職能を存分に発揮できる環境だと感じています。患者様の生活や体調に寄り添い、調剤を行う。MR時代にやりたかったことを実現できました。
『きずな薬局』は現在、平野店・東大阪店・堺店の3店舗を展開中。各店正社員2名、パート1~3名程度を配置しています。いずれの店舗も薬剤師と事務スタッフがタッグを組んで業務を進める方針なので、職種を越えた団結力と一体感があり、とても働きやすいです。
門前薬局・面薬局ではないからこその働きやすさ。残業も少なめです。
『きずな薬局』は、医療機関の門前薬局やドラッグストアなどに併設された面薬局と違い、閉店時間を病院・店舗に合わせる必要がありません。営業時間は9時から18時。残業は会社側が削減を推奨しているので、あったとしても1日30分から1時間程度です。
ただし、介護施設は24時間体制。入居者様の体調が悪化すれば時間外でも薬を届けに走る必要があります。とはいえ、深夜の急変は医療機関に搬送されるケースがほとんどなので、オープンから4年経つ2020年現在まで、深夜対応は1度もありません。
時間外の要請に対応するのは、基本的に管理薬剤師のみ。私が統括する3店舗の管理薬剤師は、ありがたいことに時間外対応にも使命感とやりがいを感じてくれています。会社側もそんな気持ちに手当というかたちで応え、頑張る薬剤師を支えています。