オアシスのスタッフとなり、早いもので8年が過ぎました。グループホーム、介護老人保健施設と経験を積み、現在は特別養護老人ホームでの業務にあたっています。先日、あるご入居者様のADL(※)が急激に落ちたことがあったんです。介護職と看護職のスタッフがカンファレンスを開き、ご家族の意向をじっくり聞き取って、車椅子を異なる仕様の製品に交換するなど、対応し得る処置を実施しました。すると翌日、今までできなかった座位保持が可能となり、口調もはっきりするなど、効果が目に見えて表れはじめたんです。たった1日で。それまでずっと寝たきりで意思疎通も難しかった方が、対応を変えただけでこんなに変わるなんて…と心底驚きました。介護の世界ですぐに結果が出ることはまれですが、この時は、ご入居者様の可能性を痛感するとともに、その力にスタッフが励まされました。※Activities of daily living(日常生活動作)。起床、移乗、移動、食事、更衣、排泄、入浴、整容といった、日常生活を送るために必要な動作のこと。
誰にもできる仕事じゃないけど、誰もがチャレンジできる仕事です。
たった1日で、ご入居者様の可能性が大きく広がりました。
相手に寄り添い、本当に望むことを叶えたい。その姿勢が介護の要。
新人指導のモットーは、作業や知識だけ教えるのではなく、その理由や根拠も合わせて説明すること。納得して覚えられますし、「じゃあこんな方法もいいのでは?」と自主的に創意工夫する姿勢も育まれます。またご入居者様に対しては、おせっかいすぎるのは考えもの。ご本人が自分自身でしたいことから望んでいないことまで何でも先回りしてやってしまうのは、こちらの自己満足でしかありません。ご入居者様やご家族が本当に求めていることを叶える手助けをするには、人を見(看)る目と感じる心が肝心です。相手の気持ちを見逃さずに寄り添うという介護の基本姿勢があれば、知識や技術は後からついてきます。介護の仕事は誰にでもできる簡単なものではありません。しかし、誰もが始められプロフェッショナルを目指せる仕事ではあると思っています。一生続けられるやりがいのある介護の世界に、ぜひチャレンジしてください!
2011年入社