スタッフインタビュー詳細

やよい苑は地域に密着した施設。利用者様ごとの生き方に沿った支援を行っています。

江川 公浩
施設医師  
入社:2023年
治療とは違う発想で、利用者様と日々向き合っています。

介護施設と病院では、病気に対するスタンスが明確に違います。病院では病気に対して治療することが前提となりますが、介護施設では必ずしも治すことに専念するわけではありません。介護の世界においては、利用者様がより良く最期の時を過ごすことにも重きが置かれます。本人の意思によっては、食事制限や副作用のきつい薬の投与など負担のかかる治療行為が選択肢からはずれることもあるため、糖尿病を抱える利用者様の血糖値が少々高くても、饅頭を食べることがあり得るわけです。最初は、その考え方の違いにカルチャーショックを受けました。認知症の方との向き合い方も含め、いまの環境にアジャストするのに1年はかかったと思います。できるだけ平穏に最期を迎えていただけるように、お一人おひとりの人生の状況や身体の状況に応じて何をすればよいのか。ご本人はもちろん、ご家族の方と話し合いながら適切な対応というものを考え続けています。

当施設のカバー体制は、たくさんの専門職のがんばりでつくられています。

やよい苑には80名ほどの利用者様が入所されていて、みなさまの診療を行うのが医師の役割です。基本は事務所に待機し、専用の携帯電話に看護師から連絡が入ればその方のもとへ向かいます。発熱から外傷まで分野を超えてさまざまな症状を診ないといけませんが、整形外科の知見が必要であれば当法人の理事長を頼れますし、婦人科の医師も非常勤で在籍しており、歯科医師も定期的に往診に来られるため安心です。また、普段の健康管理や生活面は看護師・介護職員がしっかりと支えてくれています。現状の手厚いカバー体制は、多くの専門職が集まることで実現できていますね。入所されている方の中には、昔からの顔なじみであったご近所さんもいらっしゃったので最初はおどろきました。当施設が地域の方たちの人生の最後を担っていることを実感しています。私の医師としてのキャリアも最終盤。今後は後任の方への引継ぎも考えながら、30年以上続けてきた糖尿病の専門医としての経験を活かして利用者様の人生に寄り添っていくつもりです。

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