富田病院を選んだのは託児所が一番の理由です。下の子の産休・育休の間に取得したケアマネージャーで訪問看護と関わったとき、生活に入っていくスタイルに病院看護とは違う魅力を感じ、最後までご自宅で住まわれたい利用者様を支えたいと考え、正看護師を志しました。夫の協力もあり、母親や義母のサポートにも感謝しています。とはいえ、正看護師を取得するための3年間はとてもハードでしたが、目標を達成するためにやらないといけないと自身を奮い立たせて頑張りました。取得後は再び富田会にお世話になることになり、数年勤務した後、理事長から正職員への登用と同時に管理者への抜擢のお話しをいただいたのです。現場経験を積みたいと考えていた時だったため、管理職を受け、対応できるのか悩みましたが、最終的にお請けすることにしました。日ごろから感じていた職場の人間関係の良さと、周りの仲間がサポートしてくれる環境が背中を押してくれたのです。
ご自宅での生活に医療というエッセンスを加えるのが訪問看護師です。
現在、現場と管理職業務は半々くらいの割合です。もともと現場が好きで、デスクワークのみになることには抵抗があったので理事長とお話しすると「自分の好きなようにやったらいいんだよ」と言ってもらえました。プレイングマネージャーとして、現場の気持ちもわかりつつ、マネジメントできますし、またケアマネージャー経験もそこに加えられることが強みになるのではと思っています。仕事をするうえで一番意識していることは、ご本人のニーズを大切にすることです。なぜ利用者様が病院でなく、ご自宅での治療を選んだのかを考え、寄り添えるよう心がけています。この考えは、富田会が培ってきた風土が土台にあります。職員自身の考えを押し付けず、利用者様の物差し、ご家族の物差しをも考慮して仕事をしていくことが訪問看護ではとても重要です。私自身も新規で訪問する際は、玄関入ったときから五感を研ぎ澄ましています。たとえば、掛け軸であるとか、表彰状やご家族の写真、ペットの有無などを含めたご自宅の雰囲気を感じ取り、それをコミュニケーションの糸口にしているのです。他人から見ると他愛のないものでも、所有している人にすれば宝物、と思える感受性が、この仕事には欠かせません。
私を含め15名の訪問看護師が在籍。子育て中の方、子育てが終わった方などそれぞれのライフスタイルに合わせて、仕事の配分や、休みの調整を行っています。スタッフが、お子さんの体調不良で長期に休む場合でも、誰ひとりとして不満な顔はしません。それは、子育てをしながら働いてきた先輩NSが今まで経験してきているからです。お昼休みなどに先輩ママさんに子育ての相談ができるのも魅力です。私も託児所を利用しながら仕事と子育ての両立をしてきました。私の家族はオンコールに対応する姿を見て仕事内容を十分に理解してくれています。協力的な家族のおかげで忙しいながらも楽しんで仕事を続けられています。管理者として後進の育成が一番の目標です。もちろん私自身、訪問看護師はこれからも続けていきたいと考えています。特定看護師や認定看護師といった専門的なスキルを身に着けてのキャリアアップできる仕組み作りをめざしたいと考えています。
経歴
上の子どもが1歳になったことをきっかけに、託児所のある「富田病院」で外来のパート准看護師として2005年に入職。二人目を出産する間に、ケアマネージャーの資格を取得。2007年1月より「居宅介護支援事業所 とみた」でパートのケアマネージャーとして活躍する。訪問看護と兼務しながら、2009年に正看護師資格を取得するため、3年間学校へ通う。学校へ通う間は、富田会とは別法人のデイサービスで働く。2012年より「訪問看護ステーション とみた」のパートの訪問看護師として富田会へ再入職。2015年に正職員となり、同時に管理者を任され、現在に至る。
訪問看護師
2005年入職