入社以前から20年近く、建築用を中心とした鋼構造物の組立・溶接に関わってきました。転職活動に入るきっかけとなったのは、当時景気が低迷期にあったこと。より安定性の高い就業先を探したところ、ナカオ工業の存在を知ることになりました。企業規模や手厚い福利厚生に堅実さを感じただけでなく、培ってきた技術を活かせることもわかり、この会社で働こうと決意。製造部のなかでも、自動車・建設用重機等の製造ラインに使用される搬送装置、機械式立体駐車装置といった製品を扱う、機械・建設プラント課への配属が決まりました。
現在、私が担当しているのは、製品を構成する部品の組立や溶接です。機械式立体駐車装置の場合なら、製作期間はおおよそ3ヶ月ほど。組立・溶接は工程全体の終盤にあたるので、複数の案件を並行して進めることもあります。個々の作業については前職で経験していましたが、詳細な図面に基づく機械の製造現場は初めて。先輩たちの手際のよさは、目を見張るものがありました。チーム内での意思疎通を徹底する、同じミスは絶対に繰り返さないといった、業務効率化に向けての基本姿勢を再確認できたのも、そんな環境のおかげですね。
機械・建設プラント課が抱える案件は、規模の大きさもあって年間に5件程度。1件に長い時間を費やすことに加え、オーダーメイド品を手がける都合上、製造手順は毎回変わります。設計が複雑な製品も多く、スタッフ間で作業の進め方を協議することもしばしば。係長という立場にいる私ですが、自分ひとりの判断で現場を動かそうとせず、周囲の意見を積極的に取り入れる方が、生産フローが円滑に推移する実感があります。地道なやりとりを通して困難を乗り越えるからこそ、チームで何かを作り上げる達成感も大きくなるのだと思います。
当社の製造現場では、20代から60代まで幅広い年代のスタッフが働いていますが、世代差を感じることはなく、フランクな雰囲気です。組立や溶接の経験がなくても、目の前の作業をきちんとやり抜く集中力がある方、あるいは体力に自信のある方なら、きっとすぐに溶け込めるのではないでしょうか。相手のことを尊重し、目を見て話を聞く意識さえ持てれば、周囲は必ず支えてくれるはずです。もっとも、この考え方は私自身も胸に留めておきたいもの。今後も傾聴の習慣を大切に、身近な仲間から信頼される人物を目指そうと思います。
製缶業での実務経験を活かし、入社直後から即戦力として活躍。係長へのキャリアアップを果たし、10名あまりの部下をまとめる。オン・オフの切り替えが明確な社風がお気に入りだといい、休日には映画鑑賞を楽しんでいる。