20歳のとき、学生アルバイトとしてマンインザムーン祇園店で働きはじめました。私は日本育ちですがグアムにルーツを持つハーフで大学の英文科に通っており、英語を使う仕事を探していたんです。お酒を扱うアイリッシュパブは学生にとって敷居が高く感じましたが、ちょうど祇園店のオープニング募集で歓迎してもらえました。卒業後はそのまま副店長・店長とキャリアを重ね、2020年に京都エリアの統括マネージャーに。2023年からは烏丸店の店長を兼務しています。烏丸店は周辺に宿泊施設が増えたこともあり、お客様の7~8割がインバウンドの方です。スタッフの多くも海外出身なので、主に英語でコミュニケーションを図ります。各店とも海外にいるようなアイリッシュパブですが、お店づくりは店長に任されているので店舗によってそれぞれ個性的な雰囲気が味わえると思います。
旅行者にも地元の方にも親しまれる場所を、一緒につくっていきましょう!
実は20代の中盤は飲食店で働き続けるイメージがわかず、退職して海外で生活してみたいと考えていました。ですが、そのタイミングで感染症が拡大し、酒類の提供が禁止に。当時店長を務めていた六角店が閉店してしまい、何人かの先輩社員が会社を離れるなど厳しい状況の中、私が統括マネージャーを務めることになりました。最初は正直、不安の方が大きかったですが、そのとき初めて「私がやるしかない」と吹っ切れたように思います。社長と相談しながら試行錯誤を繰り返し、スタッフの育成と地道な店舗運営を続け少しずつ回復してきました。10年以上続けられたのは、1年1年姿を変える京都の街が好きなのと多くの方との出会いがあったからだと思います。お客様との出会いだけでなく働くスタッフも毎年入れ替わるので、アメリカやアジア、ヨーロッパ出身のスタッフたちを通して異なる文化を知れることが楽しみになっています。
以前は自分が接客してお客様の心をつかむことが最大のやりがいでしたが、店長としての経験が積み重なるにつれ、それは大きく変わりました。ここ数年は、一緒に働くスタッフたちがお客様と交流を深められるようにサポートすること、お客様とスタッフが異文化にふれて人とのつながりを感じられる空間をつくることにフォーカスしています。アイリッシュパブは、旅行者が休憩のために利用しつつローカルと情報交換をしたり癒されたりする場所です。今後はインバウンドの方だけでなく、日本の方にももう少し気軽に交流の場として利用いただけるような展開をしていきたいです。そのためには、海外旅行が好きなスタッフが多いので旅先での経験をお客様に伝えるなど、ドリンクやフード以外に提供できる要素を増やせたら理想かと思います。京都はライバル店が多いですが、アイリッシュパブではナンバーワンチェーンでありたいですね。
2013年入社