私が所属する製造部が行っているのは、当社で開発設計された金型をもとにした、プレス加工による自動車部品に関わる製品の生産。徹底した品質・作業管理を行い、安全性と効率性を両立させながら高い品質を実現していきます。扱う製品は実に様々で、しかも小ロット。また、一つの機械につきっきりになるわけではなく1人が複数のプレス加工機を担当し、1機につき1日に5~6製品を製造していきます。そのため、「この製品はあと何分で終わるから、次はこれを準備して」などと複合的に考えながら、効率よく進めていきます。一つのラインで同じ製品をつくり続ける仕事とは違い、自らの作業や全体を見渡しながら工夫していく必要があることが、この業務の特徴でもあり醍醐味だと思いますね。
目次
2.【CAMプログラム】・・・「本気」が生み出す、満ち足りた充実感。
3.【工作機械加工】・・・迷いなく挑戦できることが、成長につながる。
4.【生産技術】・・・自分を高みへ導くのは、深みのあるヤリガイ。
5.【開発設計】・・・金型技術の最先端で、自分を磨き続ける
6.【総務事務】・・・自分の成長と可能性の広がりを実感
1.【製造】最先端の設備とチームプレーが支えるモノづくり。
同じことの繰り返しじゃなく、試行錯誤と創意工夫が活きてくる。
最先端の設備。意見をどんどん言える風土。あるのは充実した職場環境。
作業するプレス加工機は最大で600トン。2020年には800トンの導入が決まっており、現在その準備が進んでいます。シートデバイス部品のプレスメーカーでこのクラスのプレス機を導入しているのは全国的にみても極少数で、そういった最先端設備に携われるチャンスがあるというのは、ものづくりや機械いじりが好きな人には大きなプラスポイントだと思います。
また、業務に関することや職場環境の改善に対して、自分の意見を言えることも魅力ですね。年齢や経験の差に関係なく、新しいことにどんどん挑戦させてくれる環境がこの職場にはあると思います。そんななかで私自身も、新しい設備を導入する時に自分の意見が反映され実際に量産が開始されたり、高難度な不具合の原因を追究できたりと、周りのサポートを受けながら自分の考えをもとにした成功体験を積むことができ、大きな自信につながりました。誰にでもチャンスを与えてくれるこの環境が、技術者として多くの成長をもたらしてくれるのだと思いますね。
仲間と仕事。その二つが私に多くの変化をもたらしてくれた。
やはり時には、仕事で困ったことや悩みが生じることもあります。そんなときに大きな助けになってくれるのが、仲間の存在です。私が困っていることに対し、自分のことのように考えてくれて、弱音も聞いてくれる。そんな人間関係の良さがここにはありますね。自分に集中しがちなものづくりという仕事において、チームで取り組める、一人で抱え込まなくていいという環境は、私にとって大きな安心材料になっています。
そんな仲間とともに今後、工場全体の安定稼働につながる設備保全力の向上に挑戦したいと思っています。自分たちが扱う設備のメンテナンスや保全ができるようになる事でプレス加工の更なるスキルアップにつながると楽しみにしています。このように業務改善に積極的になれたのも、業務を通して状況に応じて深く考え、その上で「まずはやってみよう」という気持ちを持てるようになった結果。少しずつ成長しながら、仕事に楽しみを感じられる環境がここにはあると思います。
2.【CAMプログラム】「本気」が生み出す、満ち足りた充実感。
求められるものが高い。それがこの仕事の最高の面白さ。
私が担当する業務は、三次元CAD、CAMを使用した新規プレス金型部品のNCプログラム作成。新たに導入した設計ソフトウェアCimatronを用いて、五軸マシニングセンタへのプログラム作成を行い、加工精度・速度向上へトライしています。また量産中のプレス金型の性能向上を狙ったパーツ改善なども業務の一つです。
当社がプレス加工する対象素材の中心となるのが、超ハイテン材とよばれる超高張力鋼板。自動車業界で大きな注目を集める軽量で高い引っ張り強度のある素材で、加工にも高い技術力が必要となります。もちろん、それをプレスする金型にも最新の設備、工具、材料、技術、ノウハウが求められます。業界内でも難易度の高いとされる素材のプレス加工を実現する金型製作に携われている。このことが、金型に関わる技術者として最高に刺激になりますし、とても大きなヤリガイになっています。
一つひとつの課題に向き合うことで、一つひとつ成長している。
当社がこだわっているのは1/100mmという精度。この精度を実現するのはやはり大変で、刃の回転数や速度の僅かな差異、同材質でも購入場所や時期によっても誤差が生じます。その都度、発生原因を追究していくのですが、多くのプログラムを作成するにつれ、その原因を見つけるのが早くなっていくんです。常に改善を模索していくなかで、しっかりと経験が蓄積されていることを実感しています。
また、順送プレス金型の設計から仕上げまでの全工程を一人で行ったことが、自分にとって大きな経験だったと思います。順送型は複雑な形状を作成できる分、設計の難易度が高いもの。それを完成させることで各工程の役割や狙いを理解することができました。現在のCAMプログラムの仕事においても、前後工程を意識した働き方ができるようになり成長につながりましたね。
目的、そして想いを仲間と共有。だからこそ喜びが大きい。
実際に働いていると、経営理念にある「ものづくりの誇りと喜びを分かち合う」ことを真っすぐに実践している会社だと感じます。同僚や上司とのコミュニケーションがとても豊富ですし、他部署との関わりも多くあります。その時、単に“ものづくり”の観点だけでなく、“会社としてどう競争力を高めていけるか”の視点で、目的や狙いをみんなが共有しています。全員が同じ想いで仕事に取り組んでいるからこそ、成功したときの達成感が大きくなりますし、そんな環境だからこそ、自分も本気になれるのだと思います。
20年以上使用してきたCAD/CAMソフトの入替プロジェクトを任されたときも、プレッシャーはありましたが、それよりも嬉しい気持ちのほうが大きかったですね。そのときに導入したのがCimatron。自らが関わったこのツールをどんどん活用して、今後も金型部品の加工精度と速度の向上に努めていきたいと思います。
3.【工作機械加工】迷いなく挑戦できることが、成長につながる。
高難度金型の現場で、自分の意見をしっかりと出せる。
金型部品の製作や日々の生産計画や品質管理、異常発生時の復旧、業務改善などを担当しています。当社の金型は難度の高いものが多く、最先端設備でそれを完成させていくことにヤリガイを感じています。もちろん、日々勉強していかないと追いつけない面もありますが、それが自分を成長させてくれると思いますし、機械いじりが好きな私にとっては楽しい部分でもありますね。
そんな現場でも、自分のアイデアを発揮できる場面が多くあります。以前、マシニングセンタの生産効率改善を目指し、最新の刃具や材料、加工条件を調査し、改善トライを行ったところ、問題なく加工でき作業効率や加工精度が上がった、という経験がありました。みんなに喜ばれ、シンプルに嬉しかったですね。気づいたことを上司に相談するとすぐにやらせてくれますし、若手にもどんどん仕事を任せていく。そんな風土があることがこの会社の大きな魅力ですね。
別業務の経験が、今の仕事をもっと面白くしてくれた。
入社後から金型部品の製作に従事していましたが、3年間だけ量産金型の補修業務を経験しました。自分にとっては新しいチャレンジだったので、始めはノウハウがなくて大変でした。補修では溶接も行うのですが、なかなか規定値の寸法が出せなくて苦労したのを覚えています。そのときは色々な人が協力して、助けてくれました。そのおかげで乗り越えることができましたね。支えてくれる仲間がいることを実感できましたし、その人たちの為にも頑張ろうと思えるようになり、人としても成長できた経験です。
また、もう一つこの経験で得たものは、補修作業を通して金型部品一つひとつの機能や設計者の意図を理解できるようになったこと。その視点を持って現在の業務に戻ったことで、より仕事が面白くなりました。金型部品の製作だけをやっていたときには気づかなかったことを得られたのは、別の仕事を経験したからこそだと思います。
コミュニケーションが、ものづくりに最適な環境を作っている。
当社には、チームとしてものづくりに挑んでいく「スクラムトライ」という考え方があります。常識に捉われずにやればできると信じて挑戦する。仲間と協力してものづくりに本気で取り組み大きな達成感を得る。そんな環境が職場全体に根付いているのですが、その理由のひとつにコミュニケーションが挙げられると思います。同僚や上司への報・連・相を大切にしていて、自分の業務の後工程の仲間から「カタチになったよ」「量産がはじまったよ」と教えてもらえることがあります。そういうときに自分の仕事の意味や意義を実感できて、モチベーションが上がるんです。
また、ものづくりへの熱意に溢れ、周りを引っ張ってくれるような先輩達の存在も大きいです。後輩の意見にも耳を傾けてくれるし、ダメなことはしっかりと理由も含めて指摘してくれます。「この人のようになりたい」と思わせてくれる人がいるのは、仕事をする上で、とても恵まれた環境だと思います。