もともと介護の仕事をしていたわけでもない私が、看護補助の仕事をすることになったのは、前職でパート時代の同僚が、先にここで仕事をしていて、「よかったら働いてみない?けっこう楽しいわよ」と勧められたからでした。
最初は「え?楽しいの?」と半信半疑でしたが、その言葉を信じて思い切って応募してみました。
採用が決まって働き始めてから、彼女が言っていたことが間違いではなかったと感じたのは、仕事にも慣れてきて数ヶ月経った頃でした。
最初は、やはり初めてのことばかりで、先輩から教えてもらうことに必死でしたので、そんなことを感じる余裕もなかったのですが、ある程度なれてくると心にも少しゆとりができ回りも見えるようになりました。そうすると「あ~、まさしく人対人の仕事なんだ」と気づかされました。
働き始めたきっかけは、元同僚の「楽しいよ」のひと言でした。
子育て中の方も多いと思いますが、私も小さい子どもを持ちながら夜勤が1ヶ月の中で数日ありました。もちろん協力してくれる家族のサポートもあってのことですが、夜勤の日は、昼間にゆっくりと子どもと過ごす時間が持てて、家族に預けて子どもが寝ている間に働いて、夜勤明けの日は必ずお休みだったので、子どもとの時間も大切にできました。
看護補助の仕事は、資格や経験もいりませんし、スタートしやすい仕事だと思います。でも病院というふだんは疎遠な場所での勤務ですので、「どうしようかな」と迷われている方もいらっしゃるかも知れません。でも「人が好き」「人とお話しをするのが好き」そんな方には、ピッタリの仕事です。今、迷っておられる方がいらっしゃったら、こう声をかけます。「まずは一緒にやってみません?楽しいですから」と。
患者様からの「ありがとう」も、資格取得への挑戦も、仕事のモチベーションになっています。
看護補助
2012年入職
働き始めて10年が経ちますが、ここまでやってこれたのは、同僚や上司のサポートがあったことも大きいですが、もう1つ日常的に関わっている患者様からの「いつもありがとう」という言葉も大きいと思います。
看護補助の仕事は、看護師のような医療行為での貢献はできませんが、看護師さんには、言いにくいことをしゃべってくれたり、雑談をしたり、ちょっとした要望に応えられたり、看護師業務とはまた違う側面で患者様をフォローしています。
長い期間入院されている方が多いので、お顔馴染の方も多いですし、仲良くおしゃべりをする患者様もたくさんおられます。これからも患者様から頼りにされる存在として、仕事に誇りを持って頑張っていきたいと思います。
昨年、実務者研修の資格を取得しました。そして次は介護福祉士を目指しています。最初に資格を取ろうと思ったのは、聞こえは悪いかもしれませんが、資格をとれば手当をいただけるからです。給与面でメリットになるということに加えて、いざという時に将来役に立つかな…くらいの軽い理由でした。
でも勉強をしていくうちに、ふだん何気なくしていた業務の意味や背景が理解できるようになりました。そうすると「もっとこうしたらいいのでは?」とかいろいろ考えられるようにもなってきて、仕事にも張り合いが出てきました。
そして感じたのは「介護のしごとって奥が深いな」ということです。最初は給与面のメリットがきっかけだった資格取得への挑戦も、今となっては仕事へのモチベーションアップにもつながっているように思います。またあくまでも自分自身の自己啓発のために始めたことでしたが、病院側にもシフト調整などサポートをいただけて本当に感謝しています。
昨年1月に来日。現在当院で奮闘中の特定技能外国人のスタッフです。
看護補助
2024年入職
患者さんから「ありがとう」「明日もお願いね」と言われるととても嬉しいです。
スタッフさんがみんな優しくてサポートしてくれるので、業務にもだんだん慣れてきました。ある時、患者さんが少し興奮して困った時があったけど、スタッフさんが上手く対応してくれて、すごく頼りになると感じました。日本語も仕事を通じて徐々に覚えることができて、将来的には、実務者研修や介護福祉士の資格を取りたいと思います。(Sさん・女性・28歳)
私は、「大丈夫」「安心してください」という日本語が好きです。これは、私が何か失敗した時に、よくスタッフさんが私にかけてくれる言葉だからです。最初、オムツ交換が難しかったけど、丁寧にやり方を教えてくれたので、今では得意になってきました。患者さんから「ありがとう」「明日もお願いね」と言われるととても嬉しいです。(Zさん・女性・26歳)
まだまだ日本語を聞きとるのはむずかしいです。分からない単語や言葉は、すぐその場で聞くようにしています。みんな邪魔くさがらずに優しく教えてくれるので嬉しいです。
シフトも融通してくれたりと、とても働きやすいです。皆さんに感謝しています。私は、患者さんのお世話をするこの仕事が好きなので、これからも頑張ります。(Mさん、女性・21歳)
患者様にとっての暮らしやすさだけでなく、職員の働きやすさも考えてくれる職場です。
正看護師 副師長
2009年入職
以前は重度の身体障がい者施設で働いていて、子どもの出産を機に、常勤として働きながら子育てと両立できる職場を探して伊丹天神川病院に入職しました。精神科での勤務は初めてだったので、精神保健福祉法に則りながら行う看護に最初は戸惑いましたね。
患者様の状態変化を見るためには、普段のご様子を知っておかないとわからないため、日々のコミュニケーションは必須ですが、初対面では話していただけないこともあるので、関係を築いていくのは時間がかかります。
最初はどうアプローチをしていこうか悩むことも多かったのですが、当時の先輩から「できることからやっていけばいいよ」と声をかけてもらえたことで少し気持ちが楽になり、前を向いてがんばれるようになりました。周りからの言葉に励まされながら、地道に向き合うことを心がけてきた結果、あるときから患者様に「ありがとう」と感謝の言葉をいただけるようになり、そこを境に大変なことより楽しいことが増えてきて気がつけば15年以上働いています。
いまも印象に残っているのは、入職から間もないころに出会った患者様のこと。その方は内服薬を飲むのが好きではなく、いわゆる怠薬の状態でしたが退院を希望されていました。どうすれば希望を叶えられるかを、地域の支援者や訪問看護師、医師とカンファレンスを行いながら考え、通院を前提にして注射で調整することで自宅で過ごせるのではないかとの結論にたどり着きました。
そこから訪問看護師が患者様に定期的に通院を促すことや、金銭管理を行政の方に任せることなどが決まり、無事に退院できて安定した生活を送れた事例があります。当時は経験も浅く報告業務が主な役割でしたが、退院するにはどのような方法があるかを知れたことは、その後の仕事にもつながる大きな学びでした。
現在は患者様だけでなく、副師長としてスタッフの悩みに対してもどうすれば解決できるかを考える立場になったので、職場全体のコミュニケーションを意識して、患者様からもスタッフからも信頼される存在になれるよう努めます。
患者様に寄り添い、二人三脚で退院を目指す。患者様の可能性を広げるための努力を惜しみません。
精神保健福祉士
2023年入職
学校の病院実習で、患者様に丁寧に接しながら退院のサポートに取り組む精神保健福祉士の姿を見て、自分も同じ職種で活躍してみたいと思うようになり、地域において大きな役割を果たしている伊丹天神川病院に応募しました。
入職後はまず先輩たちの横について仕事の流れを学び、徐々に患者様を担当していきます。この仕事は、患者様のお気持ちを知り、その実現を目指すため、普段からの関係性がとても重要です。初対面からどのようなことも聞ける関係になれるわけではないので、なにを話すかだけでなく会話の回数も大切になります。また、患者様によってはしてはいけない話題もあるため、事前に情報を頭に入れてからコミュニケーションを取るように心がけていますね。
会話中にいつも意識しているのは、リアクションの大きさです。しっかりお話に耳を傾けていることを表情や身振り手振りでもお伝えてしています。距離が縮まってくると、質問した以上のことをお話ししてくださったり、過去のお話をしてくださるようになるので、その都度手応えを感じています。
現在は50名の患者様を担当して、みなさまの退院後の希望や入院されている中でのお困りごとなどをお聞きしながら、目標の実現するためのサポートや環境改善に取り組んでいます。
症状にもよりますが、治療にはそれなりの時間がかかるものです。だからこそ、患者様が無事に退院されたときの喜びは大きくなります。晴ればれとした表情で病院を去る患者様を見られると、精神保健福祉士を志した日を思い出してうれしくなりますね。
退院への道のりは、その方の症状やご家族との関係を含めた状況などで変わるため勉強の連続です。受け入れ先である施設の知識はもちろん、各種保険制度をはじめとした法律の知識も必要になるため、患者様に対応するたびに学びを深めています。
患者様とご家族様の間に立ち、さまざまな選択肢を提示しながら一番の方向を考える存在へと成長することが今後の目標です。上司や周りにも相談しながら幅広い知識を身に付け、明るい未来を築くための手助けができるようにがんばります。
看護補助
2011年入職