以前は病院で言語聴覚士として働いていました。2年ほどリハビリに携わる中で、退院後も患者様のサポートを在宅で続けたいと強く思うようになりました。理学療法士などほかのリハビリと比べると、言語聴覚士の訪問サービスを受けられる機会はまだ多くありません。そこで言語聴覚士の訪問リハビリを扱う数少ない会社『いちむじん』の存在を知り、転職を決めました。
現在は1日に6件前後を担当し、脳梗塞などの病後で話すことが難しい方や、加齢や疾患の影響で食事がのどを通りにくくなっている方に向けて、ご要望に合わせたトレーニングのメニューをつくり、口腔体操や発声練習を行っています。発声しやすい姿勢や食べやすい姿勢を伝えるなど、環境を整えることも業務の1つです。言語聴覚士は言葉と聴こえの専門家と言われますが、訪問の現場では摂食・嚥下の指導・訓練がメインになります。在宅では今まで関わったことがないご病気の方や、低年齢の方を担当する機会が多く、まだ経験が少ない私は訓練の内容や進め方、ご家族との関わり方などを上司に相談してアドバイスをもらいながら進めています。
働きやすい職場だから、産休・育休取得後の復帰が今から楽しみです。
病院ではすぐ近くに看護師や医師がおり、設備も整っている安心感がありましたが、訪問はすべてにおいて自分1人で対応するため、最初はとても緊張しました。もちろん最初は先輩の訪問に付いていって教えてもらいながら業務に慣れ、私の場合は2~3回目から独り立ちしました。
話すこともそうですが、やはり食べることは重要な生活の一部です。食べられないことが苦痛にもなりますし、少しでも食べられることが生活の質の向上につながります。のみ込みの状態が悪くても私の訪問により食事ができたり、ご本人やご家族が「待ってたよ」と言ってくださるなど生活の楽しみの一部になっていると聞けたときは、大きなやりがいを感じます。機能面で食事が難しくても、「食べたい」というご要望があれば安全に食べられる方法を探すなど、できる範囲内で利用者様のご意向に沿うように心がけています。そのためには、看護師やヘルパーたちに日々の生活の様子を聞くことも大切です。訪問時は1人でも、職種を問わず相談しやすく、情報共有もしっかりさせてもらえるので、安心して取り組めています。
先輩・上司の皆さんは、私には思いもつかない療法や対応方法をご存じなので、相談するたびに知識も技術も磨かなければと思うことばかりです。月に一回オンラインで勉強会があり、専門外の介護や医療の知識についても学んでいますが、それ以外にも自分から積極的に学んでいきたいですね。
訪問はどうしても移動に時間がかかりますが、動きやすいようにスケジュールを組んでくださるので、とても働きやすいと感じます。お休みは週に2日あり、有休も取りやすい環境です。実はこれから産休・育休をいただくのですが、復職後の働き方についても上司に相談させてもらっています。戻ってきてからも引き続きスキルを磨き、利用者様の食べる喜び、充実した生活のサポートをしっかりしていくことが私の目標です。また、後輩を指導した経験がまだないので、今後もし後輩ができたらしっかり伝えていけるように成長を目指したいです。