家族と仲間の笑顔を大切に。一人でできないことも、みんなでなら。
ライフステージの変化を経て、興味を持った「在宅訪問薬局」
薬剤師を目指したきっかけは、結婚や出産などで一度仕事を離れたとしても、「働きたい」と思った時にいつでも仕事に戻れるよう、手に職をつけたいと考えたことでした。資格取得後は製薬会社に入社し、MRとして勤務しました。薬局を選ばなかったのは、一つの場所に留まるよりも、外に出て多くの人と関わる仕事が自分には合っていると感じていたからです。
結婚を機に神奈川へ引っ越し転職しましたが、妊娠をきっかけに一度仕事を離れることになりました。出産後すぐに働くつもりはありませんでしたが、大阪出身で周囲に知り合いがいなかったこともあり、「社会とのつながりが欲しい」と思うようになり、子どもが11ヶ月の頃から他社の調剤薬局でパートとして働き始めました。
働く中で、次第に「自分が理想とする薬局運営をしてみたい」という思いが強くなり、薬局長に立候補したところ承諾していただき、パート薬局長としてのキャリアがスタートしました。家庭とのバランスを大切にしながら働いていましたが、息子が高校生になった頃、「パートという働き方の中での限界」を感じ、もっと深く仕事に関わりたいと考えるようになりました。そこで正社員として働くことを決意し、在宅訪問薬局への転職を決意しました。
在宅医療への関心を持ったのは、外来だけでは見えない患者さまの生活背景を、自分の目で確認できる奥深さに魅力を感じたからです。訪問薬局は2社検討していましたが、きらり薬局では実際に訪問に同行させていただけたこと、そして店舗の雰囲気の良さに惹かれ、入社を決めました。入社後は個人宅への訪問から始まり、数ヶ月後には施設も担当するようになり、その後、薬局長を経て、現在はエリア長を任せていただいています。
一人ではなく、仲間とつくる在宅医療の未来。
エリア長としての主な役割は、現場で働く皆さんが楽しく前向きに仕事ができるようサポートすることです。店舗に入る際には、課題を一緒に整理して改善策を考えたり、スタッフ同士が良い関係性で働けるよう声掛けを行ったりしています。
加えて、数値管理も大切な役割の一つです。現場に負荷がかかっていても数字上は問題ない場合もあれば、その逆もあります。だからこそ、感覚だけでなく数字を見て判断すること、そのバランスを保つことが非常に重要だと感じています。
また、薬学生の見学や実習対応も担当しています。「私自身もいつまでも元気に働けるわけではないので、次世代を育てなければ」という思いもあります(笑)。在宅医療は「大変そう」というイメージから、就職先として選ばれにくい現状がありますが、私は在宅こそ薬剤師の存在価値が発揮される分野だと確信しています。一人で訪問する仕事ではありますが、実際はチームで支え合う仕事です。そのチームワークややりがいを、できるだけ具体的に伝えるよう心がけています。
往診同行では「ドクターと処方を相談しながら進められる点に魅力を感じた」といった声をいただくことも多いです。他にも、1つの店舗を見学するだけでは見えない部分もあるため、複数店舗を回る見学ツアーなども実施しています。その対応を現場スタッフにお願いしているのですが、そうすることで学生さんにリアルな声を届けるだけでなく、スタッフ自身にとっても良い刺激になっていると感じています。
学生さんへの対応や現場スタッフの支援を通じて、在宅訪問に関わる人材を育てることは、ひいては在宅訪問ができる店舗を増やすことにもつながると信じています。
仲間たちが楽しく前向きに長く働けるように。
私は、企業理念である「在宅訪問薬局を社会インフラにする」という考えに強く共感しています。正直なところ、私一人でできることは限られています。だからこそ、仲間を増やし、協力し合うことで、できることを広げていきたい。この考え方は、子育てをしながら限られた時間の中で働いてきた経験から生まれたのだと感じています。自分が苦手なことや、他の人が担った方が良い結果につながることは、素直に周囲を頼るようにしています。そうしないと、保育園のお迎えに間に合いませんでしたからね(笑)。
社員育成においては、全員が同じようにできるのが理想ではありますが、実際にはそれぞれの得意分野を活かし合うことで、無理なく長く続けられる環境がつくられると思っています。そのために、何よりも対話を大切にしています。仕事の話はもちろん、「昨日何を食べたの?」といった何気ない会話を通じて、一人ひとりの得意なことや考え方を理解するよう心がけています。
また、「家族が元気であってこその仕事」だと考えているので、家族に何かあった時には私自身も正直に話して、早く帰ることもあります。エリア長である私がそうした姿を見せることで、若い世代の皆さんが「家庭を大切にすることを遠慮しなくていいんだ」と感じてくれたら嬉しいです。私自身、結婚を機に一度仕事を離れた経験があります。だからこそ、今一緒に働いている仲間には、結婚や出産を理由にキャリアを諦める必要はないのだということ、そして多様な選択肢があることを伝えていきたいと思っています。
取材日:2026年1月
