患者様の“日常”を支えるため、在宅医療の世界へ
医療業界のかっこ良さに惹かれて、薬剤師の道へ
薬剤師という職業に魅力を感じたのは、「人の役に立てる医療の仕事」に憧れを抱いたからです。自分ではあまり覚えていませんが、小学生の頃の卒業文集には将来の夢として「薬剤師」と書いていたそうです。地元・青森で薬剤師不足が社会問題として取り上げられていたとき、両親と「薬剤師ってかっこいいよね」と話していたことも、進路を意識するようになった一因だったと思います。
大学卒業後は、病院薬剤師として2年間勤務しました。そこでの経験を経て、在宅医療に興味を持つようになり、HYUGAに転職しました。HYUGAは、早くから在宅医療に取り組んでおり、他社への支援なども行っていることを知り、「ここしかない!」と思い入社を決意しました。
自宅でも適切な医療を届けたい、その想いで在宅医療の世界へ
在宅医療に関心を持つようになった背景には、コロナ禍での社会的な状況が大きく関係していました。当時、コロナ患者の急増により医療体制が逼迫し、「入院だけが最善ではない」という考え方が広まっていきました。そうした流れの中で、自宅での治療における薬剤師の役割がより重要になるのではないかと感じるようになったんです。
在宅医療では、患者様がご自身で服薬することが多く、服薬支援や病気の予防など薬剤師の役割がより広がります。高齢の方にとって、毎食薬を忘れずに飲むことは難しく、薬を管理しやすいようにカレンダーにセットしたり、朝・昼・晩ごとに分けてお渡しするなど、生活に合わせた工夫が必要です。お薬の量が多くて飲み忘れるという方には、お届けの頻度を短縮し1週間に1度お渡しするという対応をとることもあります。「処方通りに薬を飲む」という当たり前のことを確実に実現するために、私たち薬剤師がサポートしています。
チーム全体を支える視点へ。薬局長としての挑戦と工夫
薬局長に就任してからは、自分の業務に加えて、店舗全体の動きやスタッフ一人ひとりの状況にも目を配るようになりました。特に在宅医療の現場では、外来とは異なり、一包化やセット作業など配薬準備に時間がかかることが多く、その分、患者様と接する時間が限られてしまいます。だからこそ、業務を効率化し、少しでも多く患者様と関われる時間を確保することが大切だと感じています。
効率化する中でも、各施設や患者様のご要望にはしっかり耳を傾け、真摯に対応することを大切にしています。また、定期的に業務の流れを見直し、ルールを明確にすることで、無駄のないスムーズな体制づくりを心がけています。
配薬に時間がかかる施設には、PCスタッフとともに私自身が同行することもあるんですよ。2人で作業することで効率が上がるのはもちろん、移動中や作業中に会話をすることで日常業務では見えにくいお互いの考え方や悩みを共有でき、良いコミュニケーションの場にもなっています。こうした日々の積み重ねも、チームとしての一体感や信頼関係の構築につながっていると感じています。
取材日:2025年5月
