在宅訪問薬局の薬局長として、人と向き合い、多くのことを学んでいます。
薬局の外へ一歩出ることで、幅広い知識を学べています。
当社に入社した理由は、在宅訪問に興味があったからです。外来だけではわからない患者様の普段の暮らしぶりまで知ることができれば、もっとお役に立てるかもしれないと感じ、思い切って飛び込みました。
実際に、訪問することでいろいろなことが見えてきます。たとえば、ご高齢の方であればクーラーを積極的に使用したがらない方も少なくありません。夏場にご自宅へ伺うと、熱がこもっているお部屋で過ごされていることもあるので、熱中症が心配です。薬をお渡しする際に、クーラーをつけて涼しい部屋で1日を過ごしてほしいとお願いして、体調不良を未然に防ぐようにしています。ほかにも、ケースとして多いのが薬の飲み忘れです。顕著であればクリニックのドクターに相談しますし、忘れないように1日ごとに薬を分包できるカレンダーを貸し出しています。
また、介護施設へ配達する際に施設の方とコミュニケーションを取ることで、居宅療法の勉強ができるのも在宅訪問薬局ならではの良さです。当社で働いたおかげで、薬剤師として学べること以上に、知識の幅を広げられています。
私たちが支えられるのは、患者様だけではありません。
入社3年目に出会えたある末期がんの患者様への在宅訪問は、私の仕事観を変えてくれました。その患者様は、ご夫婦で暮らされていたご年配の男性の方。かなり症状が進行していたようで、残された時間が少ないことをドクターから教えていただいていました。
患者様はもちろん、奥様も不安なことには違いはありません。「こういう状態なのだけど、どうすればいいか」というご相談の電話を毎日いただくので、どうにかしたい一心で、ときにはドクターに症状をお伝えして薬の変更を提案したり、夜であっても連絡を受ければ駆けつけたりと、自分なりにできることを考えて行動しました。1ヵ月ほどして患者様がお亡くなりになられ、薬を引き取りに伺った際に奥様とお話をするうちに、どれだけ疲弊されているかがわかり、在宅医療にはご家族の方を含めたケアが必要なことを実感しました。
そして最後に、「きらり薬局さんには良くしていただいた。姫野さん、感謝しています」とおっしゃっていただき、胸が熱くなったのを覚えています。本来の業務とは少し範囲が違うのかもしれませんが、地域包括ケアに関わる一員として、周辺までケアできるようになりたいと改めて感じた出来事でした。
社歴2年目に薬局長になり、運営スキルも学んでいる最中です。
私の場合、入社して2年目の冬に薬局長の打診がきました。正直にいえば自信がなかったのですが、信頼を寄せる当時のエリア長が「君ならやれる」と力強く言ってくれたので引き受けました。その上長は部署が変わったいまも気にかけてくれ、よく電話をくれます。それに、営業部長も相談に乗ってくれるので、早期のキャリアアップも安心でした。同期たちも薬局長をしており、刺激を受けています。
運営面で心がけているのは、リラックスして働ける職場づくりです。患者様の笑顔をつくるためにも、まず私たちが笑顔にならなければいけません。そのために重要なのが、残業の抑制です。みんなで力を合わせて作業分担を進めた結果、うれしいことに薬局長に就任した当初より減ってきました。
1日の中で自宅よりも長い時間を過ごす場所なので、楽しくないと出勤したくなくなると思います。そこを考えて、業務にゆとりがあるときは、冗談を言い合いながら世間話をしていますね。逆に悩みを抱えてそうな人がいれば声をかけ、話に真剣に耳を傾けています。福津店は20代後半のスタッフが集まるフレッシュな店舗。患者様にも伝わるくらい雰囲気の良い薬局にしていきます。
取材日:2022年7月