株式会社アニスト

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インタビュー

看護事業部 部長

藤原 洋子

Fujiwara Yoko

利用者様にとって居心地のよい場所にするために
相手の立場に立った看護を大切にしています

施設内で看護師たちが行っている普段の業務内容を教えてください。

看護師は看護計画という計画書にのっとって、利用者様それぞれの目標に応じたケアを行っています。具体的には、バイタル測定や、呼吸音やおなかの音を聞く。きちんと排便があるかどうかなどの身体の状態を調べたり、一緒に廊下を歩くといったリハビリを行っています。また、外傷のある方のガーゼの処置や、胃ろうをされている方への栄養投与など、医療的なケアも主治医の指示のもとで行います。

現在、看護事業部には正職員が8名、アルバイトは月に数回出勤の者を含めて40名ほどが在籍しています。基本的には、看護師が介護士と一緒に利用者様の居室を訪問することはありません。介護士は生活のお世話、看護師は病状の管理と、ケアの目的が違うためです。しかし、利用者様の状態が変わったときは、ケアマネージャーが中心となり、すべてのスタッフが協力しあいます。みな、普段から同じ施設内で過ごしているので、お互いに顔を見知っていることもあって、いざというときの連携は取りやすいです。

ダブルワークは可能ですか?

看護事業部にはダブルワークのスタッフも多く在籍しています。私自身、病院での看護を行っていたことがあるのですが、訪問看護を経験することは病院で勤務する際にも役に立つと思います。病院で働いていると、患者様の退院後の生活を見ることは少ないです。たとえば、入院されて治療を受けた患者様が、肺炎は治ったのだけれど体力が衰えて歩けなくなってしまっているというような場合でも、肺炎が治ったという部分だけを見て安心してしまいがちです。

病院での看護の目的は病状の回復です。そのため退院後のリハビリ期間の生活を、少しでも快適なものにしようということまでは、考えないことも多いのです。しかし、訪問看護を経験すると、病院外での生活をリアルに想像できます。そうすると「少しでも早く離床させて退院までに歩けるようになっていただかなくては」というように、退院へ向けた調整の部分にも適切な判断ができるようになります。

アニストで働く看護師たちに、大切にしてもらいたいことは何ですか。

看護師には利用者様の立場に立った看護をしてもらいたいですね。たとえば、利用者様の立場に立つというのは、頭ごなしな言い方をしない、というようなことです。主治医からカロリー制限の指示を受けている糖尿病の方に対して、病院に勤務している感覚だと、つい、「医師の指示は絶対に破っては駄目ですよ」と言ってしまいがちです。しかし利用者様も、チョコレートを食べたいときもあればコーラを飲みたいときもあるでしょう。それを思えば、限度というものはあるにせよ、こちらの考えを押しつけるのは、決して良いこととは言えません。

それに、この看護師は自分のことを大切に思ってくれているという実感が利用者様にあれば、自然とこちらの指示を受け入れてくださるのではないかと、私は思います。こちらの気持ちは相手に伝わるものですから。看護師たちには、利用者様のことを思う気持ちを保てるよう、自分が楽しんで働くことを大切にしてもらいたいと思っています。

現場の看護師は、どこにやりがいを感じて働いていると思いますか。

看護師それぞれが、自分の看護観を持っていると思いますので、やりがいは人それぞれでしょうね。私個人がこの仕事をやっていて良かったと感じるのは、利用者様が在宅看取りを希望されたときです。病院での看護であれば、患者様とは、長くても三か月くらいで、「お元気で。どうぞお大事に」と別れることになるのですが、この施設であれば、もっと長いスパンでお付き合いができる。そこにやりがいを感じます。

利用者様からすれば、ここがくつろぐことができるご自分の家であり、居心地の良い場所だからこそ「ここで看取ってほしい」とまで思ってくださるのでしょう。もちろん、本人のご意思が何よりも大切ですので、病院での最期を望まれる方には、ご希望に沿うよう全力でフォローいたします。利用者様には、くつろいで楽しく暮らしていただきたいです。そのために、こちらで働く看護師には相手の立場に立った看護を徹底してもらいたいと思っています。