


病院食をつくるのは、枚方療育園が初めてです。これまで居酒屋などで調理自体は経験してきましたが、当センターで学んだこともたくさんありました。たとえば、当センターでは私たちが普段食べる料理の形態だけでなく、ミキサー食や極ミキサー食、ゼリー食という感じに、複数の形態のものを同時並行でつくります。形態によって食材のカットの仕方が変わりますし、食材の形状によって味の感じ方に違いが生じるため、味付け自体も変えています。ひとつの料理に複数のレシピが存在するので、最初は覚えるのが大変でした。一見簡単そうに思えるラーメンの調理も、ミキサー食の場合は麺をきざんでから茹でるため、その加減がむずかしいです。病院食の奥深さを日々痛感しています。
どのような料理でも、アレルギー反応が出るかもしれない怖さがあると楽しく食事ができません。だからこそ、アレルギーへの配慮を徹底しています。これまでアレルギーのことを詳しく学んできていなかったので、入職当初はその種類の多さにおどろきました。普段からなじみのあるうどんであっても、出汁にサバ節やカツオ節が使われていると危険になる方もいらっしゃるのです。そのため、当センターでうどんをつくる場合は、通常のつゆとコンブ出汁のみのつゆの2種類を用意しています。調理器具も完全に分けていて、お一人のためだけに個別に器具を使う場合も珍しくありません。そのあたりは働いてから非常に敏感になりました。まず安心して食べられること、その上でおいしさを追求することを心がけています。
振り返れば、もう20年近く働いていますが、私より先輩もまだ現役なので学ばせてもらっています。病院食以外にも枚方キャンパスで働く約400名分の職員の食事を用意するのですが、これもまた別種のむずかしさがあります。というのも、大量につくる場合は、家庭のような感覚で調理すると味がうまく決まりません。別の考え方をしないといけないので、初めてつくるメニューだといまだに戸惑うのですが、先輩たちはそのあたりのノウハウを豊富に持っているので、しっかり味付けしています。早く肩を並べられるように、動きを観察して真似してみながら試行錯誤中です。これまでも、新しい壁にぶつかっては乗り越えてを繰り返して来ました。それができたのは、自分がつくった料理をおいしそうに食べてくれる姿を見られるからです。みなさんの喜ぶ姿を目に浮かべながら、これからも成長を目指します。
調理場ではパートスタッフを含め60人ほどの職員が働いています。若手からベテランまで年齢に幅もありますが、それを感じさせないくらいコミュニケーションを取り合っており、みんな仲良しです。非常に明るい雰囲気で、なんでも質問できる環境があるからこそ長く続けてこられました。このまま定年まで安心して働き続けられると思っています。
いまも勉強中ではありますが、基本的なところは2~3年くらいで身に付きました。このくらいの時期に新人さんが入ってきて指導することになったので、教えることによって自分自身も学べたのは大きかったです。当センターでは身に付いた力に応じて少しずつ担当できる範囲が広がっていくので、階段をのぼるように成長を目指せます。
職員食堂を推します。当法人は職員の食事にもこだわっていて、リーズナブルな価格で副菜もしっかりついた定食を食べられるのが魅力です。お米の種類の見直しや新メニューを提供する際は、何種類か試食してもらって投票で決めています。いろいろな経験ができるから、食べる側と同じくらい、つくる側も楽しいです。



働く人にも、優しい場所を提供したい。それが私たちの願いです。
さまざまな職種に加え、ゆとりある勤務体系が整った当法人。きっとあなたに合った働き方ができるはずです。「興味はあるけれど勇気が出ない」「どんな職場かわからないと不安」といった声も気軽にお聞かせください。
