


枚方療育園の看護学校で学んだことが入職のきっかけで、生活と医療の両面をケアできることに魅力を感じて飛び込みました。枚方キャンパスは病院と福祉施設が併設されているので、治療の有無に関わらず、利用者様はずっと施設内で日々を過ごされています。そのため、当センターの看護業務は生活介助がメイン。また、一般的な病院と違って診療科目で病棟が分かれていないので、整形外科や歯科をはじめ幅広い医師の診療サポートに入れるのも特徴です。ひとつの病棟の中で多くのことを学べ、長く続けるほど、やっていてよかったなと思える瞬間に出会えます。たとえば、成長を間近に観察できるのも魅力で、子どもだった利用者様が10数年の時を経て成人を迎えたときのうれしさは、ほかではなかなか味わえない喜びです。
お一人おひとりの利用者様と長くお付き合いしていく仕事だからこそ、関係をしっかりと築いていくことが大切です。新しい方が来られた場合は、まずどういうことを好まれるかを探ることから始め、ご家族様からいただいた情報や利用者様の表情などを参考にして、どのようなことが心地良いのか不快なのかを判断しながら、喜んでいただけることを積み重ねて心を開いていただけるように励みます。重度の方の場合は表情で読み取ることもむずかしくなるため、「脈拍数がおだやかになった」「かすかに手が動いた」「目をいつもよりパチパチさせた」といった微妙な変化を頼りに判断していくのですが、一人だけではなかなか見つけられないものです。そのため、看護師だけでなく、介助スタッフや保育士とも情報共有しながら、みんなでその方への理解を深めています。
医師と看護師以外に、介助スタッフと保育士、リハビリスタッフも利用者様と関わっているので、個別支援についての意見・アイデアが多方面から飛び出します。最近では、成人を目前に控えたある利用者様への対応が印象的でした。その方は、自身では起き上がることができない状態で、1日の大半をベッドの上で過ごされています。成人式への参加はむずかしいのですが、せっかくの記念すべき日になにかをしてあげたいと病棟の職員全体で話し合いを重ねた結果、保育士から「寝相アートを撮ろう」というアイデアが出ました。寝相アートとは、寝ている人を中心にベッドの周りを飾りつけて撮影するアート写真で、成人式の日まで毎月写真を撮ってアルバムをつくることになったのです。そこからは日々の業務の合間を縫って撮影を行い、ときには別病棟のスタッフの手も借りながら無事にアルバムを完成させました。利用者様のために苦労をいとわないメンバーが揃っているので、いろいろなアイデアを実現できて楽しいです。
枚方総合発達医療センターは、心身に重度の障害を抱えていらっしゃる方たちが入居されている施設です。11病棟まであり、私が働く7病棟では50名の利用者様を25名の看護師が2交替制で支えています。普段から職域の枠を超えてみんなで話し合っているので、保育士や介護福祉士を含めて距離感が近く、雰囲気は和気あいあいとしています。
0歳児から子どもを預けられる施設内保育所の存在は、本当にありがたかったです。夜勤にも対応していて、小学校低学年までなら土日だけ預かってくれるので働きやすさを感じていました。そういう環境があるから、先輩たちも子育て経験者ばかり。たくさんカバーしてもらえたので、今度は私が後輩たちを支えています。
20年以上働いていますが、続いている理由は楽しいからという一言につきます。多くの利用者様と関わってきて、素敵な想いをさせてもらえたことが何度もありました。職員もやさしい人が集まっており、協力体制も万全です。利用者様の笑顔を見るために、手を取り合ってがんばれるから日々が充実しています。



働く人にも、優しい場所を提供したい。それが私たちの願いです。
さまざまな職種に加え、ゆとりある勤務体系が整った当法人。きっとあなたに合った働き方ができるはずです。「興味はあるけれど勇気が出ない」「どんな職場かわからないと不安」といった声も気軽にお聞かせください。
