


もともと人の役に立つ仕事がしたくて、小さいころは看護師になるのが夢でした。人の縁があって高校を卒業後に枚方総合発達医療センターの看護助手として働き出したときも、看護師と一緒の職場にいるというのがうれしかったです。入職当初は看護師へのあこがれが大きかったですが、徐々に介助職へ興味がシフトしていきました。心境が変化したのも、利用者様と接する楽しさを知れたからです。お食事に気乗りがしない利用者様が、あるときから私が介助をする際には食べてくれるというような、心を開いてくれたのかもと思える瞬間があるとうれしくなります。深い関係を築いていくなら、やはり接する時間が長い方がいいですし、それなら介助職が最適です。10年以上続けてきて、いまではこの仕事こそ自分に向いていると思っています。
当センターで働く前は、重症心身障害者施設という言葉すら知りませんでした。どういうところなのかの説明を聞いて最初に感じたのは、意思疎通の不安です。うまく話せない方とどのようにコミュニケーションを取ればいいのか心配しましたが、結果的には何の問題もありませんでした。というのも、表情と声のトーンでどういう気持ちなのか理解でき、「あ」という声を発していただくだけでも、なにを伝えてくださっているのかがわかります。その意味では、私が担当する1病棟の利用者様はコミュニケーション能力が高い方が多いです。感情を表に出せない方であっても、興味を持って観察していれば、かすかに眉間にしわが寄ったり、口角がわずかに上がったりと、ちょっとしたところにお気持ちを読み解くサインが出ているので、細かい反応をみんなで共有し合いながら理解を深めています。
利用者様にとって当センターは生活の場であり、ご自身の家のようなものだと思います。だからこそ、家族のような存在でありたいというのが私の想いです。出勤する際も、いつも「ただいま」という気持ちでいます。新しく施設へ入居される方にも、ご自宅のようにくつろいでいただきたいので、細かい情報収集は欠かせません。なにが好きで、なにがきらいで、どういうときにどういう反応をするか、これまではどういう暮らしをされてきたかをご家族様にお聞きしますし、ときにはケアワーカーの方を通じて以前にいた施設での情報もヒアリングしています。利用者様がこちらに来られた際は、好きな音楽を流すなど、これまでの環境と変わらないようにして安心していただけるように心がけています。すべての利用者様に1日1回は笑ってもらいたいというのが私の信条で、積極的にコミュニケーションを取り、愛着のある施設をみんなの笑顔で満たしたいです。
職員食堂の料理が、すごくおいしいので気に入っています。もう1日の栄養を、ここで摂っていると言っても過言ではありません。それに、年2回ある職員旅行も働く楽しみのひとつです。1泊2日が基本ですが、近年では日帰りも選択できるようになったので、家庭と両立しながら参加しやすくなりました。
施設内にある保育所には、ずいぶん助けられました。お昼ごはんはもちろん、遅番になったときは夕ごはんまで提供してくれます。いつもそばに自分の子どもがいるというのも安心でした。とても便利で利用しやすいので、職員の子どもたちの大半は保育所に預けられ、すくすくと大きくなっています。
実際にはむずかしいですけど、壁を感じないケアを目指しています。気持ちが通い合うことが重要だと思っていますので、与えられた仕事をただこなすだけではなく、どれだけ利用者様に興味を持てるかが重要です。まるで身内のような感覚で接していただけるように、これからも積極的に関わっていきます。



働く人にも、優しい場所を提供したい。それが私たちの願いです。
さまざまな職種に加え、ゆとりある勤務体系が整った当法人。きっとあなたに合った働き方ができるはずです。「興味はあるけれど勇気が出ない」「どんな職場かわからないと不安」といった声も気軽にお聞かせください。
