作業療法士は医療業界で働く母親の勧めから興味を持ちました。そうして専門学校に通うようになり、実習でいろいろな現場に行く中で自分にしっくりくると感じたのが精神科の病院です。
精神科では、園芸やものづくりなどの作業を通してリハビリを行います。身体的に障がいを抱えている患者様とは違うアプローチで改善を目指していくことが面白く、卒業後の進路として学生時代に決めていました。また、精神科の病院は一般的に暗くて怖いといったイメージを持たれがちですが、実際の現場はそのようなことはありません。特に五条山病院は通勤がしやすい街中にあり、日当たりの良い中庭エリアは明るくきれいです。当院で働こうと決めるまで時間はかかりませんでした。
入職後は、3ヵ月以上の時間をかけて先輩が担当するプログラムにサブとして参加しながら仕事の流れを覚えられ、ひとり立ちをする時期に関しても上司と面談しながら決められたので安心でしたね。私の場合は、入職4ヵ月後にはプログラムを担当できるようになりました。
会話を通して、必要なプログラムを考える。作業療法士として、ひとつ上のステージを目指したい。
作業療法士の仕事は、大まかに言えば1ヵ月単位で組んでいる集団・個別プログラムを考え実施していくことがメイン業務です。当院には精神科地域包括ケア病棟、認知症治療病棟、急性期病棟、療養病棟があり、病棟によってプログラムの内容が変わります。たとえば、認知症病棟であれば、昔のことを懐かしむことで脳の活性化と精神の安定化を図る回想法というアプローチに則って演歌を流して、昔の思い出話などを聞いたり、入院されたばかりの方もいらっしゃる急性期病棟では大きな音などの刺激がよくないこともあるため、アロマを焚いた空間でのストレッチを実施してリラックスを図る、といった感じです。
各作業療法士が担当する50数名程度の患者様ごとに最適なプログラムを実施するため、その方のこれまでの生活の歩みを知る必要があります。会話に多くの時間を割けるようにリハビリ中はもちろん、空き時間ができれば病室に伺って話をすることも。そうして、その方が手芸好きだとわかれば、編み物を一緒に取り組んでいくプログラムを組んでコミュニケーションの取り方などの改善を図っています。
認知症病棟を設立したことで身体に障がいを抱えていらっしゃる患者様も増え、ベッドサイドでもリハビリができないかといった要望もいただくようになりました。その部分の知識もアップデートするため、外部研修や作業療法士協会が主催するeラーニング講座を積極的に受講しています。
また、「その後」を見据えたサポートを考えることも課題です。退院後に一人暮らしをされる患者様であれば、自炊ができるかを不安視される方もおり、一緒にスーパーに買い物に出かけてレトルトカレーやインスタントラーメンを購入し、それをつくってみる練習を試みることも。
なるべく再入院しないためにできることを考えていくと、やるべきことは多いです。逆にいえば、ひとつの枠組みに捉われずにいろいろなことにチャレンジできます。そこが、仕事の面白みですね。
2019年入社