はとバス2階建てオープントップバスに2種の新デザイン登場![ 前編 ]
■「エクリプスジェミニ3」はどんなバス?
2024年8月10日、この日は土曜日でお盆休みのスタートともあって、東京駅は帰省客や行楽客であふれていましたが、はとバス乗り場のある丸の内南口も観光客やインバウンド(訪日外国人旅行客)の姿が目立ちました。
この日は午後から雲が多かったものの猛暑日に近い気温で、お盆の時期らしい暑い日となりましたが、お披露目会の受付開始時間である15:40の約30分前には、さっそうとはとバス乗り場に新しいカラーリングデザインの2階建てオープントップバス「エクリプスジェミニ3」が現れました。
新しいカラーリングデザインはマーブリングが印象的な社番(はとバスでの車両固有番号)483(品川230あ・483)とポップなイラストが特徴的な社番484(品川230あ・484)の2種があります。
はとバスの「エクリプスジェミニ3」は、スウェーデン王国のスカニア製エンジン・シャーシにイギリス・北アイルランド製のバンフォード・バス・カンパニー(ライトバス)製ボディを架装しています。
国産も含め、大型バスはエンジン・シャーシとボディが別々のメーカーで製造され、組み合わせて完成させることがほとんどであるため、「エクリプスジェミニ3」もそれぞれ別々のメーカーとなっています。
また、「エクリプスジェミニ3」は日本の道路法規に適合させるため、はとバスとバンフォード・バス・カンパニー(ライトバス)が共同開発した車両です。
輸入車の大型バスは車両サイズが日本の道路法規である車両制限令の全長12m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内に収まらないものもあり、特別認可を得て走らせますが、運行上の制約が出ることもあります。
しかし、全長11.46m、全幅2.47m、全高3.79mで、車両総重量も法規に適合している「エクリプスジェミニ3」は、運行上の制約はなく、国産2階建て観光バスの製造が終了した現在、大きな期待を寄せられている大型2階建て観光バスです。
斬新なデザインも特徴で、今回試乗を行うモデルのすみれさんは、「エクリプスジェミニ3」の全高に驚きながら「フロントウィンドウのデザインが大胆で、国産の大型観光バスにはない雰囲気ですね」と話していました。
■外観も車内も違う2種類の新デザインが登場!
それでは、バス乗り場に止まっている状態で「エクリプスジェミニ3」の新たに登場したカラーリングデザイン2種を見ていくことにしましょう!
はとバスのイメージカラーであるレモンイエローをベースにして、車体の両側面と後面にデザインが施されています。
いずれも群馬県にある学校法人有坂中央学園中央情報大学校でデザインコンテストを行って選ばれたもので、東京観光の魅力を表現した最優秀賞・優秀賞の2件のデザインを採用しています。
まず、1種類目の社番483は2階席側窓下に施されたマーブリングのデザインが目をひきます。
そして、そのデザインの中の“HATO BUS Tokyo Open Top Tour”のロゴと各国の国旗がひときわ際立っています。
車内2階席に上がってみると、レッド、オレンジ、バイオレットの色の座席がランダムに並び、見ただけでバスツアーのウキウキ感が高まります。
つぎに、2種類目の社番484は車体両側面後部にポップなイラストがコラージュされたデザインが目に飛び込んできます。
2階席側窓下には“HATO BUS Tokyo Open Top Tour”のロゴがひときわ大きく書かれています。
車内2階席に上がってみると、さらにカラフルにレッド、オレンジ、グリーン、ブラウン、ブラック、ホワイトの色の座席がランダムに並んでいます。
そして、2階建てオープントップバスならではの、屋根のないこの開放感!
なお、安全運行のため走行中は立って席を移動したり、側窓の高さを超えるスマートフォンの自撮り棒のようなものを使ったりすることはできません。
■お披露目あいさつの後、いよいよ試乗へ
それでは、はとバスの新色「エクリプスジェミニ3」で、実際に営業運行される「TOKYO パノラマドライブ」コースを試乗してみることにしましょう!
今回の試乗会で乗車したのは、マーブリングのデザインが目をひく社番483です。
試乗を体験したすみれさんは、はとバスも、2階建てオープントップバスも、乗車は実は初めてとのことです。
出発前にイギリス大使館北アイルランド開発庁日本事務所のマーク・グラハム氏が車内であいさつした後、このバスのボディメーカーのルーツである北アイルランドをPR。
つづいて、はとバスの武市玲子(たけいち ・れいこ)代表取締役社長もお披露目のあいさつを行いました。
車内は「TOKYO パノラマドライブ」コースを楽しみに参加した乗客で満員。
あいさつの後、社番483を先頭に、もう1台のポップなイラストがコラージュされたデザインの社番484とともに東京駅丸の内南口のはとバス乗り場を出発しました。
これら2台の2階建てオープントップバス「エクリプスジェミニ3」は、皇居や警視庁本部庁舎などの東京中心部のポイントの前を通過しながら、国会議事堂を正面に見て、快調に走ります。
コースの途中では、何とはとバスからの記念写真撮影プレゼントも用意されており、歩道橋にスタンバイしたカメラマンが撮影を行います。
「はい、カメラに向かって皆さん笑顔で!」とバスガイドさんの呼び掛けとともに、バスは歩道橋の下をゆっくりと通過しました。
写真は後ほど案内されたインターネットサイトでデータをダウンロードすることができます。
東京タワーのほぼ真下も通過しますが、2階建てオープントップバスならではのこの迫力。車内では何カ所かの東京タワーの撮影ポイントも案内され、コース参加者の皆さんはスマートフォンなどを片手に思い思いに写真を撮っていました。
■2階建てオープントップバスはまさにアクティビティ!
バスは芝(しば)公園インターチェンジから首都高速道路に入ります。
「TOKYO パノラマドライブ」コースの楽しさもここからが本番!
2階建てオープントップバスからは高速道路の道路案内標識の大きさが特に実感できます。
今回、初めてはとバスの2階建てオープントップバスに乗車したすみれさん。
高速道路の走行により容赦(ようしゃ)なく吹き込んで来る風に大感動。
逆立(さかだ)ってしまう髪の毛を必死に押さえながら旅を楽しみます。
バスは芝浦ジャンクションから首都高速11号台場(だいば)線に入ると、レインボーブリッジが近付いて来ます。
長さ約800mのレインボーブリッジを渡り終えると、ベイエリアを通る首都高速湾岸線に入ります。
東京臨海副都心お台場の象徴とも言える、フジテレビ本社が入るFCGビルを遠くに見ながら、バスは走ります。
湾岸エリアを走ると海風も加わり、ジェットコースターにでも乗っているかのような体感でしたが、バスは晴海(はるみ)インターチェンジで首都高速道路を下ります。
バスは晴海通りを走り、ベイエリアから都心部へ向かいます。
勝鬨橋(かちどきばし)を渡り、築地エリアを通過し、華やかな歌舞伎座の前へ。
現在の建物は2013年に完成した5代目で、超高層ビルの「歌舞伎座タワー」とともに構成された複合ビルになります。
バスはいよいよ日本一の繁華街・銀座へ。
銀座四丁目交差点を通過しながら、銀座を代表する建物である“SEIKO HOUSE GINZA”(セイコーハウス銀座)を仰(あお)ぎ見ます。
ネオ・ルネッサンス様式を持つこの建物は1932(昭和7)年に完成したものですが、2022年の店内改修をキッカケに「銀座・和光(わこう)本館」から現在の名称に変更されたとのことです。
JR有楽町駅近くの大ガードの下をくぐり抜けます。
2階建てオープントップバスからは手が届きそうに思えるほど近くにガードが見え、圧巻です。
このガードの上には東海道新幹線、東海道線、山手線、京浜東北線がひっきりなしに走っており、列車が通過中にくぐることもしばしばです。
出発から約1時間、東京駅丸の内口の赤レンガ駅舎が見えてきました。
2階建てオープントップバスに吹き込む風に身をまかせながらのコースはあっという間でした。
楽しかった旅も終わりが近付いて来ました。
バスは行幸(みゆき)通りを赤レンガ駅舎に向かって走り、駅前広場の前を湾曲するように曲がって終点の東京駅丸の内南口のはとバス乗り場へ。
夏の17時近くはまだまだ陽が高いものの、超高層ビルに当たる光は何となくさびしげにも思えます。
新デザインの2階建てオープントップバス「エクリプスジェミニ3」で、「TOKYO パノラマドライブ」コースを満喫したすみれさん。
車内に吹き込む風に乱れる髪を気にすることもなく、バスの到着間際の第一声は「本当に楽しかったです!」。
そして、「初めてはとバスに乗り、2階建てオープントップバスにも初乗車しましたが、これまでいだいていたバスツアーのイメージを打ち砕(くだ)くようなおもしろさで、これは単なるバスツアーではなく、一つのアクティビティだなと思えました」と話し、バス乗り場を後にしました。
※ 協力 : 株式会社はとバス
※ 出演 : すみれ
※ 写真・文 : バスグラフィック編集部
※ 記事中の車両についてのお問い合わせを事業者など関係各所へ行わないようお願い申し上げます。
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