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新カラーも登場! 東急バスの「タンデムライナー」運行開始![後編]

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東急バスでは青葉台営業所に6台の国産ハイブリッド連節バスを導入し、「タンデムライナー」という愛称を与え、2024年4月1日より青葉台駅~公園前~日体大の「青61」系統、3.1kmの路線の営業運行を開始しました。
10月までは3台のみを使った営業運行ですが、それ以降は6台をフルに充当した営業運行を行う予定です。
さて、出そろった国産ハイブリッド連節バス6台の中には1台、カラーリングデザインが異なるオレンジ色のラインを配した車両があります。
後編記事では、小誌イメージガールのアテンドにより、この車両の見どころを徹底的に紹介します。

まずはやはりカラーリングデザインに注目!

まずは前面。
東急電鉄大井町線の新型通勤電車6020系と共通モチーフで顔をイメージさせるデザインとなっています。
このことは緑色のラインをまとった車両と同じで、親しみを感じさせます。

側面はオレンジ色を境界線にして白とグレーの塗り分けを施しています。
これも緑色のラインをまとった車両と同じで、境界線の色が緑色からオレンジ色に替わっただけです。

緑色のラインの車両と同様、オレンジ色の車両も前車体(まえしゃたい)と後車体(うしろしゃたい)をつなぐホロにもボディのカラーリングデザインに合わせて彩色が施されていることが特徴です。
窓上のオレンジ色のラインをホロにも配していることで、前車体と後車体のオレンジ色のラインが途切れず続いているように見えます。
また、黒塗りした窓廻りの天地寸法に合わせ、ホロにも黒の彩色を施していることで、前車体と後車体の窓廻りの連続感が生まれています。

外観の注目すべきポイントは?

前車体の中扉床面には車イスなどに使用する反転式スロープを備えており、バリアフリーに対応していますが、緑色のラインをまとう他の車両も当然備えています。

カラーリングデザイン以外で注目すべき装備が、前方衝突防止と大型車特有の死角をカバーする機能を持つ「モービルアイ・シールドプラス」です。
前身の前方衝突防止装置「モービルアイ」をベースに開発されたもので、このカメラから取得した映像をAI (Artificial Intelligence:人工知能)の分析で瞬時に歩行者や自転車の動きを判別し、死角にいる歩行者や自転車の接近や衝突の危険性を乗務員にアイコン表示や警報音で知らせる装備です。

「モービルアイ・シールドプラス」のカメラは後車体の左右側面後端部にも取り付けているほか、前面にもあります。
「モービルアイ・シールドプラス」は、単に映像を映し出すカメラではなく、安全システム全体を指し、大型車特有の死角をカバーする機能のほか、前方衝突防止機能(車間距離警報)も備えています。
この車両の取材後、緑色のラインをまとう他の全ての車両にも後付けしています。

前車体車内のポイントは?

車内に目を転じてみると、黒い座面に緑色のシートバックの座席が並び、木目調の床上張りであることが分かりますが、車内仕様は基本的に緑色のラインの車両と同一です。

全長約18mの車内の見通しは壮観(そうかん)です。
後車体の後扉直前までが長いノンステップエリアで、後扉以降が段上げとなります。

乗降方法は前扉から乗車し、中扉・後扉から降車しますが、多客時に起点で中扉からも乗車できるように仕切りにIC(Integrated Circuit:集積回路)カードリーダーを備え付けていることが特徴です。

前車体の運転席側の一番後ろの座席は後前輪タイヤハウス上に位置することから、後向き座席となっています。

後車体車内のポイントは?

前車体と後車体はホロによって結ばれていますが、床面はターンテーブルとなっており、車体の動きに合わせて可動します。
前車体と後車体はターンテーブル下にある連節器で結ばれていますが、古くから連節バスが運行されていて実績のあるヨーロッパ製のものを使っています。

後車体の運転席側にある座席の前から2脚は、カタログ仕様では1人掛けの前向き座席となりますが、事業者の選択によって1人掛けか2人掛けかにできます。
実際には2人掛けを選択している事業者が圧倒的に多く、東急バスでも同様に2人掛けを選択しています。

後車体の前端の運転席側には非常時に乗務員に通話することができるインターホンを備え付けています。
その上には、体調の急変などで乗務員に異常が見られた場合、周囲に異常を知らせながら停車するシステムEDSS(Emergency Driving Stop System:ドライバー異常時対応システム)の非常ボタンもあります。

後車体の後扉の仕切りにも、多客時に起点で後扉からも乗車できるように仕切りにICカードリーダーを備え付けています。

後車体の最後部座席直前の座席とその前の座席は、運転席側、扉側ともに向かい合わせの関係のレイアウトになっています。
手前側の座席は後車体の後後輪タイヤハウスの上に位置することから後向きになります。

運転席のポイントは?

運転席の様子。
全長約18mと長大な車体であるため、運転席には車内外を確認するためのモニターを多数備え付けています。一般的な大型路線バスの運転席廻りとの大きな違いです。
メーター類はスポーティーかつ視認性に優れたデザインとなっています。

ステアリングホイール(ハンドル)左横にある変速機のレバーは一見、AT(Automatic
Transmission:自動変速機)に見えますが異なります。
国産ハイブリッド連節バスが採用している変速機は7速AMT(Automated Manual
Transmission:自動変速マニュアルトランスミッション)です。
ノークラッチで乗務員が任意に加減速チェンジすることもできます。

メータークラスター(計器盤)左には車内外を映し出すモニターが3基あります。
各モニターに映し出される映像は、扉など各機器の操作状況により必要な映像に自動で切り替わるほか、手元のスイッチにより任意で切り替えることも可能です。
モニターの数以上に複数のカメラを装備しており、1基のモニターで何画面もの映像に切り替わり、映し出されます。

長円形のモニターは、歩行者または自転車の接近を歩行者型のアイコンで視覚的に知らせる装備です。
別に後車体の後後輪直上や連節部付近から後車体方向への死角に対するカメラを備えていますが、その映像が運転席のモニターへスイッチによる切り替えで映ります。

運転席直後の仕切りには前車体の客席用のEDSSの非常ボタンを備え付けています。
EDSSは、乗務員の体調の急変などで異常が見られた場合、非常ボタンを押すと軽微制動が始まり、車内外に音と光で異常を知らせながら自動停止制動がかかって停車するシステムです。
運転席にも体調急変時に乗務員自(みずか)らが押せるように非常ボタンがありますが、客席用の非常ボタンが誤って押された場合の解除機能も備えています。

※ 協力 : 東急バス株式会社
※ 写真・文 : 宇佐美 健太郎
※ 本記事内中に公開している写真は記事制作を条件に事業者の特別な許可を得て、2024年3月に取材・撮影したものです。
※ 記事中の車両についてのお問い合わせなどを事業者など関係各所へ行わないようお願い申し上げます。

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