専門学校の研修で宿泊したのをきっかけに、神戸ポートピアホテルを受けようと思いました。いま私が所属するフレンチレストラン『トランテアン』の場所には、元々「アラン・シャペル」というとても有名なお店があり、洋食を希望していた私にとって憧れの場所でもありました。最上階のフレンチレストランは、ホテルの中でも別格です。入社後はカジュアルなイタリア料理を提供するダイニングカフェに配属され、パスタ、ピザ、温製料理を担当。肉・魚料理も一通り経験させていただいてホテルでの調理を基礎から学びました。そのときに参加した社内の調理コンクールで2位になり、当時の料理長がフランス料理を希望しているなら、と異動が決まりました。『トランテアン』に来てからは、また新入社員に戻ったくらい違いを感じましたね。ブッフェ形式のダイニングカフェでは、既製品も上手く使いながらスピーディーな調理をしてきたのですが、ここでは、すべてがイチからの手づくりです。商品の質の追求や、調理に求められる繊細さに驚きました。その前に厨房で飛び交うフランス語が分からなかったので、簡単な会話や数を覚えるところからはじめましたね。
仕事の中で意識しているのは、オンとオフの切り替えです。休憩を1分でも過ぎたらダメですし、逆に休憩時間になっても仕込みや掃除をしていてはダメ。余裕があるときもキビキビと動くのは、時間に追われていてもいつもと同じ動きをする訓練です。常日頃から時間の区切りを徹底することで、お客さまに正確で確実な料理を提供できるようになります。2019年に海外研修に行かせていただいたのですが、現地で印象的だったのもオンとオフの切り替えでした。休憩中は皆さんゆったり談笑していても、営業用の真っ白なユニフォームに着替えると顔つきが変わるんです。毎日満席なので気を遣うところと遣わなくていいところの要点が分かっていて、動きに無駄がない。すごいなぁと思いましたね。技術面でも勉強になったことはいくつもありました。実際に現地で体験し学んだことは言葉でメンバーに伝えるだけでなく、自らが動いて見せ行動で伝えるようにしています。
時間内に仕事を終えて帰るという前提があるので残業はほぼないですし、休日も月に8日あるのでしっかり休めて逆に物足りないくらいです。季節のイベントのときは忙しいので世間とは休みがズレますが、年に1度長期休暇も取れます。
出汁から引いてソースをイチからつくると、味はすごく変わります。料理長に味を見てもらいアドバイスをいただくのですが、その通りにしてみると「あ、本当だ!」と分かる瞬間があるんです。料理に気持ちがこもっていなければ薄っぺらい味になるのは本当で、細かなところまで神経がいき届いていないと、それなりの味になってしまいます。それを調理していて体で感じると、すごく楽しいなと思います。あとは、料理人はみんなプライドが高いと思うのですが、変なプライドがあると、各ポジション1人なので仕事が終わりません。帰れなくても時間が来たら帰らないといけないので、そうなると次の日にお客さまにご迷惑がかかります。やはりホールも含めてのチームなので、しんどいときはしんどいと言って周囲に助けを求め、協力し合う大切さもここで学びました。
今後の目標は、「神戸ポートピアホテル」と「トランテアン」をもっと皆さんに知っていただくこと。そのために社内コンクールだけでなく、社外コンクールや工場見学などにも積極的に参加しています。また、私たちがお客さまの反応を気にするように生産者の方も自分たちがつくったモノがどのように調理されているか気になると思うので、生産者の方たちとも交流を深めていきたいですね。
料飲部トランテアン/調理スタッフ/社員
インタビュー:2020年1月
会社のビジョンを “私たちはメディカルコンベンションで育むノウハウでお客さまの笑顔と健康に貢献しアジアをリードする健やかカンパニーを目指します” と定め、スタッフ一丸となってお客さまに優れたサービスや価値を提供し、また、より良い会社作りを目指し、意識や技術の向上を図って参ります。