透析看護の仕事は、同じことを正確に繰り返す必要があります。午前と午後の2部に分かれていて、まず患者様の体重やバイタルを計り、その後に透析を開始。1時間ごとにバイタルサインの確認や透析がきちんと行われているかをチェックしつつ、3~4時間後に透析が終われば、血液を患者様に戻して一連の業務は終了です。同じ作業を、同じリズムで行うのですが、患者様とのコミュニケーションは日々変化していきます。
患者様は、例えば月・水・金といった決まった間隔で来院され、同じ方と週3回お顔を合わせます。ひとりの方と長く関係を築いていけるので、日にちが経つごとに交わす話題も自然と深いものに。働き始めた頃は、患者様の親せきのお名前まで知っている先輩がいて驚きましたが、気がつけば自分もそうなってきました。距離が縮まることで、患者様の安心感も強まり、よりスムーズな看護ができています。
仕事に慣れてきたことで、さまざまな工夫ができるようになり、最近ではお一人おひとりに合せて接し方を変えています。後輩への指導でも、一番力を入れているのは患者様との関係づくりです。挨拶などマナーに関する部分はもちろん、「私だったら、笑顔にできる」と思って接してほしいといつも伝えています。
透析看護は、患者様とのコミュニケーションに面白さを感じる仕事。ずっと続けたい魅力があります。
入職当初は希望していた一般病棟での勤務でしたが、1ヵ月後に透析室へ異動することに。新しい環境で働くことに気後れしましたが、当時の看護師長が背中を押してくれたので気持ちを切り替えられました。
いざ働いてみると、先輩たちのサポートが手厚く、第二の母と呼びたい人がたくさんできました。仕事だけでなく、育児の相談にも乗ってくれるので公私ともに頼りにしています。また協力的な患者様も多く、「経験を積まないと成長できないから、私の血管を使ってください」と申し出てくれる方もいらっしゃり、その善意に応えなければいけないとやる気も日に日に増してきました。
通常勤務はもちろん、年2回ある学会に参加するなど透析のことを勉強し続ける姿勢が認められ、学会での発表メンバーとして登壇したこともあります。いつしか新人の指導も任されるようになり、いまでは後輩たちのカバーも私の役目です。先日、一般病棟時代の看護師長が遊びに来られたときに「最初はあんなに悩んでいたのに成長したね」としみじみ言われたので、少しは頼もしくなったのかなと思います。
長いお付き合いを経て関係が深くなった患者様も多くなり、ある方は生まれたばかりの私の子どもの写真をお見せしたときに、「あんたも母親になったんやねぇ」と心から喜んでくださいました。人とのふれあいが楽しく、ずっと働いていたいと思える透析室で、患者様を支え、後輩を支え、地域の医療に貢献していきます。
『桜の宮苑』の魅力は、人の良さと働きやすさ!コミュニケーションを大切にして、笑顔をつくりたい。
「職員の意見を聞いてくれる職場だ」そう面接時に感じたのが、入職のきっかけになりました。実際に働いてからも上長が現場の提案に耳を傾けてくれるので、こちらもどんどん積極的になれます。
また有給休暇の取得のしやすさや手厚い待遇面など、長く安心して働ける環境も魅力です。10年以上活躍しているスタッフも珍しくありませんし、新卒の定着率の高さも目立ちます。産休から復帰する人もたくさんいて、この間も2名の職員が復帰しました。
人間関係も良く、私が働く3階フロアでは看護師を含めて20名の職員がチームワークを発揮して働いています。子どもの学校行事などで安心して休みを取れるように、みんなで協力するほど結束力も強いです。職種間のコミュニケーションの機会も多く、夏と冬にフロア全体で食事会も行います。
職場環境に恵まれているので、仕事に対するモチベーションがなくなることはありません。自分自身のスキル向上はもちろん、今後は後輩指導にも力を入れていきたいです。わかりやすい説明を心がけて成長を促し、フロア全体のレベルアップに貢献できればと思います。
3階フロアは満床49床で、日勤5名・夜勤2名体制で常に40名程度の方たちのケアに取り組んでいます。長時間にわたって入所様と関われる施設介護は、日々のふれあいが面白いです。
お風呂やトイレの介助の際に、「今日なぁ…」と話しかけてくださることも多くあり、会話を楽しんでいます。細かい変化に気付けるように観察を怠らないようにしているのですが、入居者様から「今日は元気ないけど、どないしたん?」と声をかけられ、実は私たちもしっかり見られているのだと気がつきました。「あんたやから話すんやけど」と言われると、関係を築けてきたなとうれしくなります。
またレクリエーションのときに、意外な一面を発見できることも楽しいです。例えば普段はシャイな方が、カラオケ大会になると夢中で歌われるなどいつも発見があります。
今年はレクリエーション委員に選ばれたので、毎月のイベントを考えています。5月は、母の日会を計画中です。職員お手製の髪飾りや化粧で、女性の入所者様により美しくなっていただこうとみんなで準備しています。これからも、たくさんの笑顔をつくれるように頑張ります。
手術方法を知り、先生を知ることで、滞りのない手術をサポートできる。より精度を高めるため、日々勉強中。
『明生病院』の手術室付きの看護師として、医師のサポートを行っています。業務は大きく分けて2つあり、1つはメスやピンセットなどの器械をタイミングに合わせて医師に手渡していく器械出しで、現在メインで行っている業務です。もう1つは、手術の記録をしながら患者様の様子を伺い、状態によっては昇圧剤の投与や輸血を行う外回りと呼ばれる業務。
どちらも経験して感じるのは、先読みの大切さです。例えば器械出しであれば、メスを使ったあとに止血するから、止血用の鉗子を準備しておくなど、手術の流れに合せてタイミング良く器械を医師に手渡す必要があります。そのため初めての手術の場合は、事前に専門書を読んで使用する器械や手順を予習し、イメージトレーニングをしてから臨んでいます。
また医師によって同じ手術でも、器械の呼び方や手術の進め方に違いがあるため、その人のことを深く知るほど手術がスムーズにできるようになります。手術中のコミュニケーションを欠かさず、疑問に思ったことはその場で解決できるように心がけています。
当病院では整形外科・脳外科・形成外科などの手術がありますが、担当する医師は固定されているので、その人ごとの特徴を覚えやすいです。入職してから1年以上にわたってサポートを続けたことで、言われる前に器械を用意したり、逆にこちらから声かけができるようになりました。
器械出しの経験をある程度積んだことで、外回りの業務も担当するようになりました。患者様の細かな変化に気がつく鋭い観察眼や、手術の記録をしながら輸血や薬剤の投与も行う手際の良さを求められるので、より手術のことを理解する必要があります。
実際に外回りに携わると、先輩たちとの差を感じることばかりです。経験による業務スピードもそうですが、手術時に起こり得る事態の予測の数が違います。あらゆる事態を想定して準備していれば、どんなときにも迅速に対応できるようになるので、例えば「開腹による胆のうの摘出手術で起こり得る事態はどういったものがあるのか」など自分が関わる手術へのアドバイスを先輩たちからもらって一つずつ引き出しを増やしています。『明生病院』は中途入職された看護師も多く、みなさん経験も豊富です。いつもたくさんのことを学ばせてもらっています。
先輩たちのようになるためにも、いまは多くの経験を積んで勉強していく時期だと考えています。1日に複数の手術に関わりながら、業務の精度を高めていく中で感じるのは、術後の達成感の大きさです。無事に手術が終わると、本当に良かったと胸をなで下ろすと同時に、喜びに包まれます。患者様の笑顔のために、自分ができることを精一杯行う。その気持ちを忘れることなく持ち続けて、いつも冷静で正確な対応ができる看護師へ成長したいです。