施設の看護師ならではの
やりがいと働きやすさ。
谷口 亜紀
看護師 / 入職2007年01
介護施設の看護師になった理由は?
独身時代は外科病棟で働き、オペ室で手術のサポートもしていましたが、子育てで約10年のブランクができました。復帰したいとは思ったものの、10年分の医学の進歩についていけるか不安で、病院勤務は少し心配でした。そんなとき、京都老人福祉協会で働く友人に「楽しいよ」と、施設勤務を勧められました。当初介護は考えていませんでしたが、どんなところか興味がわいて入職したんです。
最初はパートとして入職し、週3日、半日からスタートしました。当時の業務は訪問入浴サービス。浴槽を組み立てるオペレーターさんと介護士さん、私の3人で訪問し、バイタル測定や全身状態の観察を担当していました。子どもの成長に合わせて少しずつ勤務日数と時間を増やし、2017年には念願の正職員に。パートのころより長く利用者様と関われるようになって、今は忙しいながらもやりがいを感じています。
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仕事のおもしろさ・やりがいを教えてください。
以前勤めていた外科病棟は患者様の入院期間が短く、オペ室では患者様より機械と接している時間が長かったため、もっと患者様とふれあいたい気持ちがありました。転職してからは、利用者様と長くお付き合いできるようになってうれしいです。病院は緊張からか、かしこまった態度の患者様が多かったですが、施設の利用者様はありのままの姿を見せてくださいます。いたずらをしたり、にこにこ笑っておしりを振ったりするおちゃめな姿は、見ているだけで楽しいです。利用者様が私の出勤を待っていてくださったとき、傷や褥瘡が治ったとき、ご飯を食べられるようになったとき。うれしい瞬間はたくさんあります。もちろん、大きな施設なので大変さもありますが、利用者様と長く関わり、これまでの人生やご家族様のことも知ってケアできるのは、施設の看護師ならではの魅力です。
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印象に残っている出来事を教えてください。
入職してはじめての訪問入浴サービスで、やさしい利用者様とご家族様に出会いました。利用者のHさんは、もともと水泳の選手。90歳を超えても自力で歩き、しっかりお話しされていました。転職するまでは90代の人と関わる機会がなかったので、年齢を重ねてもお元気な姿に驚かされましたね。3姉妹の娘さんが交代で付き添っていらしたのですが、入職したてで緊張していた私をやさしく迎えてくださり、気がつけば毎週水曜日が楽しみになっていたんです。1年ほど担当し、3月に最終日を迎えたときは、ちょうどお誕生月だったHさんに梅の花をお渡ししました。とてもよろこんでくださり、帰りにはお手紙までいただいて、大変感動したのを覚えています。今でも梅の季節になると、Hさんご一家との温かなひとときを思い出しますね。
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働く側から見た職場の魅力は?
京都老人ホームには、大きな病院で総師長を経験した人や、集中治療室で主任を経験した人、透析病棟を経験した人など、さまざまな経験を持つ看護師が集まっています。判断に迷ったとき、他職種の職員やご家族様の理解を得るのが難しいとき、過去の経験から多角的な視点で相談に乗ってくれる仲間が多く、大変ありがたいです。また、夜勤がなくオンコール体制を採用しているため、家庭の事情やライフスタイルに合わせて無理なく働けます。実際、家庭を持つ看護師も多く活躍する職場です。
老人ホームは病院と異なり、利用者様の生活の場所であり、最期を迎えられる場所でもあります。利用者様が最期まで楽しく安心して過ごせるように、ご家族にとっても悔いのない最期を迎えられるように、これからも利用者様に向き合っていきます。
谷口 亜紀
看護師 / 入職2007年病院の外科病棟で看護師をしていたが、子育てのため退職。約10年のブランクを経て、友人の勧めで京都老人ホームへ入職した。当初はパートとして週3日・半日勤務からスタートし、訪問入浴サービスを担当。子どもの成長に合わせて徐々に勤務時間と日数を増やし、2017年に正職員となった。現在は施設内での看護を担当する。
職員のONEDAY
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出勤
感染対策のため検温と消毒 -
利用者様の記録を確認
胃ろうの注入の準備 -
各館に分かれて胃ろうの注入
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医師の診察
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診察結果を記録
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薬局から薬を取り出し、
配薬の準備 -
休憩
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診察結果の報告など
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胃ろうの注入の準備
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胃ろうの注入
利用者様の検温・バイタルチェック・健康状態の観察 -
退勤
取材日:2020年8月