私は、前職は全く別の仕事に就いていたのですが、ライフプランの変化に合わせて転職をしたいと考え、退職し時間があったので、のんびりしようと実家に帰省していたんです。その時にはじめて親戚の叔母が介護が必要になっていたことを知りました。実際、会いに行っても何も手伝えることもなく、傍観者でいるしかありませんでした。
ですが、私には兄と妹がいまして、二人とも医者をやっているので介護についてしっかりとした知識をもっており、叔母のご家族に的確にアドバイスをしていました。その姿を見ていたら、なんだか取り残された気がして・・・。それが、本当にくやしくて、気づけば「介護のプロになりたい」と介護の求人を探していました(笑)
最初はデイサービスで働きながら、ヘルパー2級の資格を取得し、やがて介護福祉士の資格も取り、今ではサービス提供責任者として従事しております。
質の高いサービスを提供し続けていく!
現在、私の立ち位置では、現場に入らせていただいたり、合間に事務作業をしたり、ケアマネージャーと打ち合わせをしたりとあらゆる業務が発生するのですが、その一つひとつの業務や関係者の皆さまとのコミュニケーションが最終的に利用者さまのQOL(生活の質)の向上につながっていると考え行動することや、実際に運動機能が回復したり、気分が向上されているお姿を見られた時は今でも嬉しいですし、この仕事そのものがやり甲斐なんだと思います。
以前、週に1回身の回りのお掃除だけ介助させていただく利用者さまがいらっしゃったのですが、99歳のお誕生日を迎えられた日を境に、訪問の回数が増えていきました。それでも身体に関するお手伝いは必要ないと仰っていただいていました。ですが時が立つに連れ、できないことが増えてきて、とうとうお身体の介助をさせていただくこととなりました。それから毎日、介助をさせていただいたのですが2週間後、天国へと旅立たれていきました。私はこの2週間は「利用者様が身支度をされていたのかな?」と今でも思うんです。
何故ならば、その利用者さまはお亡くなりになられる直前、着ていたお召し物の襟をご自身の手でピンと張り、腕まくりされました。その姿はまさに、「じゃあ、行ってきます!」と言わんばかりの凛とした姿で、今でも鮮明に私の目に焼き付いています。その時に、あの2週間のことを思い出し“身支度”だったと悟りました。
最期の2週間に私を選んでくれたことに有り難いと感じるとともに一生の思い出に残るエピソードとして胸に刻まれた出来事でした。
私は、この仕事を始めた頃から「質の高いサービスを提供し続けていく」ことを念頭に置き、仕事に望んでいました。今でもその考えは変わらないのですが、最近では「共に働く仲間たちが同じ気持ちで仕事と向き合わないと、サービスの質は向上しない」と気づいたんです。特に訪問ヘルパーはチームでのお仕事ですので、毎日、皆さんに積極的な声掛けを行い、“質の高いサービス”をチームで意識できるよう心がけています。
今、一緒に働いている職員の皆さまには本当に感謝しています。
同じ目線で仕事ができることがこんなに幸せなことなんだと気づかされました。
田園調布営業所
サービス提供責任者