私はこちらに来る前は、一般病院で看護師として働いていました。前職でも精神疾患を抱えられた患者様のケアを行う機会があり、次第に興味・関心を持ったことが精神科を志したきっかけです。多くの病院があるなかで「残業の少なさ」「夜勤勤務の少なさ」などの条件で探した結果、こころあ病院を選びました。家庭と両立しながら病院で働くとなると、家庭と仕事のバランスをとるために正職員からパート勤務へ移行する選択肢もでてきますが、当病院なら正職員のまま頑張れます。当時子育て真っ最中だった私にとって、それは大きな魅力でした。
精神科で働きはじめて、ぶつかった壁は患者様とのコミュニケーションでした。なかでも入職してまだ間もない頃に出会ったある患者様のことは、印象に強く残っています。当初は私のことをなかなか信用していただけず、さまざまな声のかけ方を試しましたが思った成果はでませんでした。それでもモチベーションを持って取り組み続けられたのは、患者様のご家族様の熱心さにあります。一緒に「どうしたらいいだろう」と試行錯誤を繰り返していくうち、少しずつではありますが良い方向に向かいはじめ、最終的に退院してご自宅に帰られるまで回復されました。その後、ご家族様と一緒に外来にいらっしゃった際に、「ありがとうございました」とお礼を述べられたときに、苦労が報われた気がして「この仕事に就いてよかった」と嬉しい気持ちになりました。
その方のおかげで患者様とのコミュニケーションの取り方や、距離の縮め方を、より工夫をするようになりました。こちらから働きかけるだけでなく、患者様のお気持ちや言葉を伝えていただくには、どうしたらいいかということを考えるようになりました。例えば、あえて言葉を交わさずただ隣にいるだけのことも。心を開いていただけない患者様に対しては、まず「一緒にいてもいいよ」と思っていただけるところから始めるようにしています。あせらず、一歩ずつ、ときには待つことも必要なのだと学びました。
飛び込んでみて本当によかった!未経験からの精神科ナースの仕事。
悩んだ経験も今となってはいい思い出。自信につながる大切な出来事でした。
「たまご倶楽部」から、未来を担うスタッフがたくさん育っています。
私が担当する病棟は現在、アシスタントも含め看護職のスタッフが23名在籍しており、そのなかで患者様に対するケアを行いながら、看護師長として管理業務も行っています。こころあ病院で働く以前は、管理者という立場になると、現場からは離れ、デスクや職場も別のところにあるというイメージを持っていました。ですが当病院では、スタッフたちの顔や状況をしっかり確認しながら仕事ができるので助かっています。
看護師長をまかされて日も浅いのでまだまだ勉強中ですが、笑顔あふれる職場にすることが将来的な目標です。つらさを感じながら仕事をすると表情が暗くなってしまいますし、職場にいることがしんどくなってしまいます。一人ひとりの様子を見ながら、ときには悩みを聞いて気持ちを和らげてもらい、毎日楽しく出勤できる病院になれば一番です。
また、この病棟には「たまご倶楽部」があるので新人アシスタントが最初に経験する職場でもあります。たまご倶楽部は発足時から関わっており、今ではここから巣立っていったスタッフが他の病棟でもしっかり活躍してくれていますし、会うと必ず声をかけてくれるので、手ごたえを感じます。だれもが楽しく働ける環境づくりを進めながら、病院の未来を担うスタッフをたくさん輩出していきたいと考えています。
2013年入社