私は業務管理課の係長として現場をまとめています。現在担当している現場は、京都市内のとある有名私立大学のキャンパス。約50名の清掃スタッフを統括し、校内を清潔に保つのが私の役目です。大学での仕事のかたわら、他の現場も巡回し、清掃状況や清掃スタッフの様子も確認しています。
もともと入社した頃は、ワックスがけやガラス清掃など専門性の高い「定期清掃」をしていました。70代以上のスタッフもいる中、私は当時20代でダントツの最年少。孫のようにかわいがられ、よくお菓子をもらっていた覚えがあります。最初にそんな居心地の良い環境で働けたことが、20年以上働き続けられた理由のひとつかもしれませんね。約3年間の現場作業で身に付いた感覚は、管理業務にシフトした今でも生かされています。
幅広い世代と関われる環境は、人生において大きなプラスでした。
清掃スタッフが50人集まれば、いろいろな性格の人がいます。全員に同じ褒め方・注意の仕方をしたのでは成長を促せませんから、各々に合った接し方をしなくてはいけません。そのために私は、現場に行ったときなるべく多くのスタッフと話すようにしています。なにげない会話でも表情を見ていれば、何を不快に感じ、何に喜びを感じる人なのかわかるんです。また、管理者という立場であっても、年配のスタッフには人生の先輩として敬意をはらうようにしています。仲良くなればフランクに話すこともありますが、基本的には敬語で丁寧にお話ししていますね。
私が長年培ってきたスタッフやお客様とのコミュニケーション方法は、今後新しい世代に伝えていきたいと考えています。上司から教わった仕事のノウハウと、自分自身の経験から学んだこと。どちらも後進の育成に役立てるつもりです。
昔は利用者のいない時間帯に行うことが多かった清掃ですが、近年は明るいイメージの制服を導入する業者も増え、「みせる清掃」に変わってきているように感じています。人との関わりも増え、お客様から直接いただける「ありがとう」は日々のやりがいです。
この20年間、多くのスタッフとお客様に出会い、いろいろな価値観に触れてきました。特に、20代という大人として成長していく時期に年配のスタッフと交流できたことは、私にとって大きなプラスでした。もちろん同年代とのつながりも大事ですが、年長者とのつながりは普段の友達関係ではなかなか得られないので、当社のような環境は貴重だと思います。自分の考えは大切にしつつ、異なる価値観も柔軟に吸収しながら、人としても建物管理のプロとしても成長していってください。あなたの頑張りを、私もしっかり支えます。
1998年入社