
当時、狭き門だったバス運転士になる為、運送会社で大型車の経験を積み30歳を一つの区切りに、京都にある観光バス会社に入社。
しかし8年後、会社の閉鎖が決まる。ちょうど地元で募集をしていた帝産湖南交通に転職し、今年で21年目を迎える。
まさに、「運転一筋30年!」のベテラン運転士。
会社が閉鎖になったタイミングと、帝産の募集が同時だったんです。
前の会社の上司から「帝産の求人が新聞に出てるから、受けてみえへんか?」と連絡があって。
観光バスに乗り続けたかったもんで、「渡りに船」。チャンスですわ!!すぐに応募しました(笑)。
私が京都のバス会社にいた時から「帝産」というのは、昔からの老舗ブランドでしたから安心ですしね。
あとは、地元で働けることです。以前は京都まで、片道45分くらいかけて通ってましたけど、ここなら20分で帰れるので嬉しいです。
もぅ、京都の時は帰りが渋滞で混んでねぇ。つい高速に乗ってしまうんですよ(苦笑)
こういう仕事は朝早かったり、晩遅かったり、昼から出て行ったり、夜行で走ったり…。
時間が不規則なんでね、近いところが一番。
通勤時間が短くなった分、ゆっくり休めるので身体も楽になりました。
この業界はシーズンとシーズンオフがありまして、シーズンオフは路線バスの運転もしています。
地元のお客様を県外の観光地へご案内するパターンと、逆に他府県のお客様を地元へご案内するパターン大きく分けて2種類ですね。
他には学校関係で、クラブ活動の合宿などあちこち遠征に行くことも。
荷物が多いので新幹線や飛行機での移動が難しいんですよね。
バスならトランクに荷物を詰め込んで移動できるので、滋賀から山形まで行ったこともありました。
業務によっては、日帰りの時もあれば現地で何泊もする事もあります。
時間も不規則で大変なことも多いですが運転士になるのが夢でしたし、自分に合っているので楽しいですね。
観光バスに25年以上乗っていても、まだまだ行ったことのない温泉とか…(笑)初めて行く場合はやっぱり楽しいですね。
トラックも鉄道も決まった所を走るじゃないですか。
そういった意味では運転職の中で、観光バスが一番変化があって面白い仕事だと思いますよ!
お客様の県民性による違いも面白いですし。
路線の仕事も覚えられたので、自分の知識や経験の幅が広がったと思います。
また、年々車輌が進化していますから、衝突防止のセンサーが付いたり、モニターで立体的に確認できたり、最新の安全設備や新しいバスを運転できるのも面白いです(笑)。昔に比べると、運転しやすくなりましたねぇ。
帝産の魅力は、長年の歴史と帝産グループの団結力ですね。他の会社にはない良さやと思います。
グループ会社の帝産観光バスは関西だけでも、滋賀に京都、奈良、大阪、神戸。さらに名古屋と東京に支店がありますから、特に関西圏ならどこ行っても帝産カラーのバスがあって心強いです。
それに他支店と一緒に働く機会もありますんで刺激になります。
グループで集まる組合などもあって、毎年、社長の激励や役員同士の意見交換。
講師を招いた研修会などを行っています。情報の共有や意見交換を通してグループ全体で成長できる会社です。
有給休暇をしっかり取れるところも良いところです。
社歴によって取得できる日数は違いますけども、旅行に行ったり家族サービスをしたりするため、できる限り有給休暇や自分の公休日を合わせて取ることができます。
バス運転士の仕事というのは免許を取れば出来るというものではないので、新しい人に私の経験を伝えていかないと、と思っています。
例えば、時間厳守も大切ですがあまり無理な運転はせずに。まずは「安全・安心」が一番大事。
次に、トラックのように乗せているのが荷物では無いことを忘れないでほしいですね。
出発前に気持ち良く挨拶するとか、お客様に対する接客は大切です。運転だけ上手く出来ればいいというものではないので…。
また、バスに乗られるお客様は、幼稚園児から高齢のお年寄りまで年齢層が幅広い。
例えば、サービスエリアに入った時、交通量の多い所で停車すると子供が飛び出してしまうかもしれない。
お年寄りの場合は、お手洗いまで離れていると移動が大変だったり、ステップの一段が大きくて、危ないので踏み台を置いてあげるなど。お客様の年齢に合わせた心遣いが必要なんです。