当社の一番の強みは、大手ECサイトの配送を直接請け負っていることです。以前は大手運輸会社経由で仕事をいただいていましたが、今は当社が配送センターに入り、積み荷内容の確認や発着時間の段取りなどを一手に任されています。大手運輸会社にとっては人件費等のコスト削減になり、配送元からは要望や相談が毎日のようにくるので、両社の物流にとって欠かせない存在になっていると感じます。
あとは、イベントです。もう20年ほど前から、名古屋のテレビ局が主催する人気キャラクターのアイスショーで機材の運搬を担っています。この仕事には約20年の間に得たノウハウが詰まっており、機材の確実な運搬のみならず、アイスリンクの製作から物販テントの設営、不要品の処理やスタッフの打ち上げのお手伝いまで、すべてに携わります。もはや運送会社の枠ではない仕事内容かもしれませんが、信頼してお声をかけていただく以上はそれに応える。このフットワークの軽さが、当社の強みだと自信を持って言えます。
求められて20年。当社の仕事を次世代へつないでいきたい。
私がよく言うのは、一人立ちまでに時間かかってもいいから何色にも染まっていない人がいいということです。異業種から来ていただく未経験の方は、言葉が正しいか分かりませんが、育てがいがあります。浅見さんはまさしくその好例で、AT免許からスタートして、限定解除をして中型を取って、今は大型免許に挑戦中です。大型を取得したいと自ら言ってくれて、当社の取得支援制度を利用してもらっています。夢があっていいですよね。もちろん即戦力は大歓迎ですが、ドライバー経験のない方の方が、当社が大切にしている安全な運行のための出発前点検や労働環境の整備について、すんなり理解してもらえると感じます。同業他社からは、「谷口さんは自動車学校か?」なんて言われたりもしますが、経験の有無より当社の考えを理解して安全に走ってもらえる人物かどうかが重要です。ですから男性も女性も関係なく、まずは会ってお話がしたいと思っています。
今後はトラックの台数を大きく増やす予定はありません。以前は100人を超える従業員を抱え、ピッキングや3PLなど手広く展開していた時期もありました。当時の売上は、15億円以上。でも、38台ほどあった長距離トラックを17台にまで減らした今現在の方が、売上は10億円程度でも利益が当時の約10倍で、はるかに安定しています。あの頃は、交通事故や車両の故障、金銭面の心配事が多く、厳しい顔で仕事をしていたように思います。時代の流れに合わせて長時間労働を見直し、社内改革に真剣に取り組んできたからこそ、今笑って仕事ができているのでしょうね。和歌山のトラックドライバーの労働組合も私が作りました。今後も運送業界は厳しい状況が続くと思いますが、労働時間と給与のバランス、労働環境の整備など引き続き重視して取り組んでいくつもりです。将来も安定して走りたいという方は、ぜひ「会社ありきのドライバー、ドライバーありきの会社」と考える当社の仲間になっていただきたいです。