森本一慶

洋食の世界から40年あまり。手抜きのない食の喜びを提供したい。

調理師

森本一慶 Morimoto Kazuyoshi

地元のレストランからキャリアをスタートさせ、名阪食品に転職。以来、約20年に渡って、工場や市役所などの事業所で給食を提供してきた。現在は特別養護老人ホームに勤務。これまでの経験を若手に伝えている。

入社のきっかけを教えて下さい。

入社のきっかけを教えて下さい。

料理好きの母の影響もあってか、子どもの頃から料理に興味があり、小学校時代には友人と遊ぶ際にカレーや炒飯を振る舞うほどでした。本格的に料理の道に進んだのは、16歳のときです。橿原市内のレストランに勤務しながら、調理師免許を取得。洋食の腕を磨く日々を送っていたのですが、数年後、店舗の移転に伴って業態が変わる事になってしまいました。その出来事がきっかけとなり、名阪食品に転職。以前から本社の前は何度も通った事があり、堅実で安定した会社という印象を抱いていました。入社後は工場や市役所など、主に産業給食の分野で15年程経験を重ね、現在は特別養護老人ホームに勤務しています。

転職後、どのように仕事を身につけていきましたか?

転職後、どのように仕事を身につけていきましたか?

名阪食品で働くまでは洋食一本だった私ですが、給食業界の仕事は和食や中華なども幅広くこなさなければなりません。また、一度に何百人分もの食事を作るため、調理の工程もずいぶん勝手が違っていました。それだけに入社後、直属の上司から自分に足りていない部分を一つひとつ教えてもらえた事は、大きなプラスになりました。だし巻き玉子の上手な巻き方といった具体的な技術指導から、要領よく作業を進めるノウハウに至るまで。大量調理を行いながら手抜きのない食事を提供する技術、さらには勤務先が変わってもしっかり対応出来る力は、この時期に身についたものだと思います。現場をともにしている若いスタッフにも、こういった技術や経験を伝えていきたいですね。

担当されているお仕事の内容を教えて下さい。

担当されているお仕事の内容を教えて下さい。

現在、勤務している特別養護老人ホームでは、調理補助のスタッフや栄養士と連携しながら、主任という立場で調理全般をまとめています。社員食堂との大きな違いは、利用者様の健康状態に合わせた食事を提供しなければならない事。同じ料理でも食べやすいように刻んだり、苦手な食べ物は抜いてあげたりというように、細やかな配慮が必要です。水分補給には、スポーツドリンクをゼリー状に固めたものを用意しているのですが、これも誤えんを防ぐための工夫の一つ。私の父も軽度の脳梗塞で入院し、左半身を思うように動かす事が出来ない状態になった事があるだけに、一人ひとりの利用者様が無理なく食事を出来るようにという部分については、日頃から特に強く意識しています。

このお仕事のやりがいを教えて下さい。

このお仕事のやりがいを教えて下さい。

働く場所は変わっても、お客様からの「おいしかった」という声がモチベーションにつながる事に変わりはありません。今の勤務先の場合、利用者様と直接やりとりをする事は少ないですが、苦手なものを控えるといった小さな配慮に対して「わがままを聞いてくれてありがとう」という手紙をもらう事もあり、意気に感じています。介護施設で暮らす方からすれば、日に3度の食事の時間は大きな楽しみのはず。これからも勉強を欠かさずに、少しでも明るい気持ちになってもらえるような料理を提供していこうと思います。

一日のスケジュール
  • 5:30

    出勤
    ユニフォームに着替え、手洗い・消毒等をしっかり行い作業に入ります。

  • 6:00

    朝食準備
    朝食の調理・盛り付けを行います。

  • 7:00

    配膳
    配膳前の最終確認をし、誤配膳を防止します。

  • 8:00

    打合せ
    昼食の調理開始前に一日の流れや報告をします。献立の確認や、調理方法、アレルギーなど漏れがないよう確認します。

  • 10:00

    昼食準備
    昼食の調理にとりかかります。利用者様によって提供形態が異なるので、必ず確認をとります。

  • 12:00

    休憩
    配膳作業が終わったら昼休憩をとります。

  • 13:00

    洗浄・仕込み
    食器や調理器具の洗浄を行います。夕食の下処理などの仕込みをします。

  • 15:00

    退勤
    翌日の献立や食事変更等を確認し、業務終了です。

インタビュー:2018.07