Interview 02

患者様だけでなく、地域社会も巻き込んで人工透析への理解を深めたい。

M.T
看護師 / 主任
ほりいクリニック / 2015年入職
専門学校を卒業後、20歳から看護師として活躍。「透析技術は必ず将来の役に立つ」という周囲の言葉を励みに、その腕を磨いてきた。当法人に入職して以降は、残業のない環境を存分に活かして活躍。子育てと主任業務を両立させながら、後進の指導に力を注いでいる。
担当業務の内容を教えてください。

患者様とのよりよい関係を築くうえでの基礎は、まずあいさつから。

人工透析の処置やバイタルチェック、血流不良を防止するフットケアなどを通して、一日に約90名の患者様に対応しています。曜日によって一部、二部、三部と診療時間が分かれており、処置は基本的には1回4時間。透析は通常の看護と異なり、長い期間をかけてひとりの方と関わる事例が多いため、信頼関係の構築が何より大切だと考えています。そこで、業務の合間を縫って毎日1回は全員にあいさつや声かけを行い、円満な関係を保てるように努めています。患者様の心と体に寄り添った看護を、これからも継続していきたいですね。
入職後の研修はいかがでしたか?

個人個人の成長速度に合わせた研修で、確実に力を磨いていく。

入職直後は、当時の主任からマンツーマンで指導を受けました。看護技術のチェックリストに従って、ひとつずつ自分の技能レベルを再確認できたのがありがたかったですね。ひとり立ちできるまでは決して手を離さず、隣について指導してくれるため、経験の浅い方でも安心して飛び込める職場だと感じています。また、透析看護師向けの資格は数多く存在し、それらを取得するための研修は各地で開催されますが、そういった学びの場に参加する際の参加費や交通費などは法人が負担。自ら進んで勉強しやすい環境が整備されています。
仕事のやりがいを教えてください。

地道な改善を繰り返せば、後輩の成長が垣間見える瞬間が。

現在は主任として、20代、30代の看護師4名の指導にあたっています。後輩たちがのびのびと成長する様子をそばで実感できることは、やはり大きなやりがいのひとつ。いずれ力強く看護の世界に羽ばたき、患者様それぞれと心から向きあう手助けができればと、心から願っています。ほかにも、看護師長と連携を図り、どうすれば職員がより働きやすくなるかを考え、業務改善や新しい試みを検討するのも私の仕事。実際に職員の負担が軽減したり、「働きやすくなった」という声が上がったりといった成果が出ると、思わずうれしくなりますね。
今後の目標を教えてください。

患者様、ご家族、地域。透析の正しい知識を皆さんに伝えたい。

一昨年には、DLN(慢性腎臓病療養指導看護師)という慢性腎臓病看護の現場における資格を取得。より高い水準のノウハウを習得したことで「患者様のみならず、そのご家族にも透析についての知識を深めてほしい」「わかりやすいご説明のために勉強会を開催したい」という思いを抱くようになりました。いまはまだ院内にしか発信できていない面もありますが、近い将来、地域福祉にも貢献できる催しを開けたらいいですね。今後も後進の指導にあたりながら、患者様から信頼される開かれた医療の実現に向け、日々邁進していきます。

ある日のスケジュール

7:30
出勤・薬剤準備・透析治療開始
必要な薬剤や器具を準備し、来院された患者様に順番に処置を開始します。
8:30
バイタルチェック
治療中は1時間ごとに血圧や脈拍などを測定したり、穿刺部や周辺の皮膚の状態を観察したりと、確認作業に従事します。
10:00
休憩
バイタルチェックの合間に30分間の休憩を取り、再び現場へ戻ります。
11:30
透析治療終了
一部の患者様の治療が終了。順に器具を回収し、二部の準備に取りかかります。
12:30
透析治療開始
二部の患者様が入室。処置を開始します。
13:30
フットケア
足の甲の動脈に触れ、血流が悪くなっていないかをチェックします。
14:00
休憩
残りの30分の休憩を取り、透析室へ。1時間に1回のバイタルチェックも欠かしません。
16:30
透析治療終了
二部の患者様の治療が終了。処置を終えた方から器具を回収していきます。
17:30
退勤
業務終了。翌日は13時半までの勤務なので、気持ちにゆとりのある状態で帰宅できます。
インタビュー:2020年2月