スタッフインタビュー詳細

大きな可能性を秘めた東洋医学を、一人でも多くの人へ。

硲口 寛
鍼灸師兼カフェマネージャー
言葉も、文化も違う国で一人の医療者として認めてもらえ、やってきたことは間違いじゃなかったと感じた。

社会人になる前の学生時代からカンボジアで鍼治療のボランティアをしていました。春グループへの入社は、代表が私の大学に来た際、「当グループはNPO法人もやっているので、一緒にやらないか?」と誘ってくれたことがきっかけです。そもそもボランティアを始めたのは、高校生のころに見たネパールで無償の鍼治療を行う鍼灸師を取り上げたテレビ番組の影響で、画面に映るその人をとてもカッコ良く思い、鍼灸師の道に進むことにしました。母が看護師をしている関係で、「医療」が常に身近にあり、映像を見る以前から将来は医療系の仕事に就きたいと漠然と思っていたことも選んだ理由です。これまでボランティアでカンボジアに4回訪問し、中でも2回目の訪問が強く印象に残っています。私が鍼治療を施していた人に子どもが生まれ、その子どもに私の名前をつけてくれたことが理由です。鍼治療に対し最初は半信半疑だった人も効果を実感すると、口コミで「鍼治療がいい」と広めてくれ、特に無医村の地域では私しか頼れる存在がおらず、中には日本で見ないような症例もあり、苦労したケースもありましたが、日本にいるだけではなかなか味わえない医療従事者としての自覚が養われました。

鍼灸師、カフェ、ボランティアと多彩な顔を持つ。次は東洋医学の伝道師を目指していく。

ボランティアでは、言い回し、説明の仕方に気を配っています。言葉や文化の違いだけでなく、鍼や東洋医学に対しての理解も乏しい中で受け入れてもらうには、そこが本当に重要です。私の場合、大学院時代に鍼治療の効果研究をしていたことが強みで、説得力が増したのだと思います。カンボジアで得た経験を日本に還元し、日本で新たに知識と技術を吸収し、カンボジアへ。引き続き鍼治療を通して両国の懸け橋となっていきたいです。現在、3店舗にて実費の鍼治療を施す鍼灸師、「HAPPY」「HOPE」「HEALTHY」の3つの「H」をコンセプトにした「H3カフェ」のマネージャー、業務が落ち着いたタイミングでのボランティアと多彩な顔を持っています。実はそれ以外にも、東洋医学を「H3カフェ」で教えたり、鍼灸系の大学で講演したりする講師の顔も持っています。東洋医学と聞くと、鍼とか、難しそうとかのイメージがあるかもしれませんが、決してそれだけではありません。例えば、若い女性を中心に人気のヨガと東洋医学をかけ合わせた【五臓ヨガ】や、カフェでも提供している【スムージー】など、治療はもちろん、あらゆる分野のものとのリンクや、さまざまな角度からのアプローチもできます。まだまだ大きな可能性を秘めている東洋医学を日本でもっと広めていくことと、カンボジアで鍼の学校を建て、次世代の鍼灸師を育てていくことがこれからの目標です。

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