スタッフインタビュー詳細

ちょっと覗いてみてもらえれば、この仕事の面白さが分かります。

小石 正裕
共同生活介護事業所 ホームたろう
生活支援員
2000年入社
個性的で面白い人との出会いが決め手になりました。

福祉とは全く関係ない学部で学んでいた大学生のとき、ふとしたきっかけから、えんぴつの家の関連施設、今の「たろう」ですが、そこでヘルパーのアルバイトをはじめたのが最初です。それまで障害を持つ方と関わったことがほぼなかったので、興味はあっても福祉を仕事にしようとは全く思っていませんでした。入職して20年近く続いているのは、出会った人が良かったんだと思います。障害を持った人も働いている人も人間味があって個性的で、出会う人がみんな面白かったんです。「俺の介護を12時間しろ。メシはおごってやる」と一人暮らしをされていた男性の自立障害者の方に言われて、「そんな物々交換みたいな対価ってあり!?」と学生の私は驚きましたね。デスクワークは向いていないと思っていたので、人と接して毎日違うことが起こるのが新鮮で、以来ずっと「たろう」です。
障害を持つ方は自分から人間関係をつくりにいくことがなかなか難しいので、食事、排せつ、入浴の介助はもちろんですが、障害者と地域に暮らすほかの人とをつなぐのが私の仕事だと思っています。何かあったときに私1人が相手を知っているより、顔を見たことがある人が10人20人いる方が助けられると思うんです。

何も起こらない普通の日々の積み重ねこそが大切。

「たろう」は知的障害を持つ方に向けたグループホームで、昼間にデイサービスや作業所に行っていた利用者さんが帰ってくる18時ごろから勤務を開始します。みんな一緒にご飯を食べ、たとえばテレビを観て好きな球団が勝った負けたと話をして過ごし、お風呂に入って寝る。次の朝起きて、ご飯を食べて準備して9時ごろに出ていく。その時間帯の生活全般を私たちがサポートさせてもらいます。ドラマティックなことがあるのは面白いし刺激があって個人的には好きですが(笑)、毎日の生活にいろんなことが次々と起こるのは不安も感じますよね。ですから、安定感は1つこの仕事にとって大切だと思います。かといって、同じことの繰り返しではマンネリになってしまうので、バランスをとって日常をともに送ることを大事にしています。介護の仕事は他人からの評価や、数字で表れる成果が少ないと私は思います。客観的な評価が難しい分、「1年間みんな元気で暮らせたな」といった、何も起こらない普通の日々の流れが成果であり、やりがいになると思います。また、資格を持っていたら全員にうまく介護できるかと言ったらそうではなく、何も資格がなくてもすごくうまくサポートできるなら、その人の方がいいに決まっています。誰が見ても分かる数字を扱う仕事も魅力的ですが、分からないことが多い人間相手の仕事も間違いなく面白い。だからこの仕事が好きですし、続けてきたんだと思います。

一歩を踏み出せば、どこかで必ず自分に合う場所に出会えます。

えんぴつの家は、上から指示されることが少なく、自分がこう動きたいとかこんな介護がしたいという思いを実現しやすいと思います。デイや作業所、私のいるグループホームとさまざまな事業所を持っているので、どこかしら自分に合う場所や面白さを見つけられるはずです。どんな仕事でも関わったことのない世界に関わるのは腰が引けますが、もし違うなと思ったらやり直せばいいので、障害者福祉に苦手意識を持たずに一歩踏み込んでほしいですね。どんなきっかけでも入ってきて経験してもらわないと、この仕事の面白さは伝わりません。それがえんぴつの家ではなかったとしても、どこかで出会うかもしれないので、1人でも多く福祉の世界に入って来てもらえたらうれしいです。
また、介護の仕事は給与が安いイメージがあると思いますが、私自身について言えば、グループホームに加えてヘルパーとしても動いているので、おそらく40代の平均より稼げています。介護の仕事を続けたくても、収入面の不安から結婚や子どもが産まれるタイミングで離れる人がいてすごく残念なので、介護業界でも安定した収入は得られると伝えたいですね。

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